Case Study導入事例

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EDIシステムの刷新をきっかけに
ACMS Apex + RACCOONで、グループ全体のデータ連携基盤を実現

  • 課題
    EDIの2024年問題に対応した次期EDI基盤を検討
    グループ企業のOracle EBS導入に伴う既存システムとのデータ連携・移行問題が浮上
  • 評価
    グループ企業全体で利用できるデータ連携基盤を選択
    データ移行処理の開発コストは1/3以下かつデータ変換処理の属人化を解消、仕様書品質も向上

小泉産業グループ企業に提供しているACMS E2Xの次期システムを検討

「売り手よし、買い手よし、世間よし」で三方よし。これは近江商人の伝統的な経営理念で、今も多くの企業が手本とする。近江商人をルーツとする小泉産業グループは、この理念の下、マーケットイン思考をベースに他社にない価値を提案する「特殊特徴品主義」を使命として事業を展開してきた。

近年は、SDGs推進にも力を入れ、環境関連ビジネスの拡大など、グループ共通のテーマを定め、その実現にまい進している。

小泉産業グループでは、持株会社である小泉産業株式会社がグループ全体の情報システム運用を担っている。EDI業務についても同社が主管し、長らくACMS E2Xを活用してきた。 2017年後半、次期EDI基盤の選定にあたって、情報システム部は検討の機会を持った。

EDIだけでなく、データ連携にも使えるACMS Apexを選択

ACMSシリーズを継続することは決めていた。焦点は、引き続きACMS E2Xか、上位製品であるACMS Apexにアップグレードするか。

結論からいえば、ACMS Apexを選択した。小泉産業株式会社 課長 永野 秀昭 氏は、選択の理由を次のように語る。
「テナント管理機能があり、グループ会社毎に運用を明確に区別する事が可能でした。当時は小泉産業がグループ会社のシステム運用を見ていましたが、『将来的に独立体制へ移行したい』という構想に、ACMS Apexが合致しました」

また、将来のSaaS連携やデータ連携を高度化させるうえで必要になる機能を備えていることも大きかった。

さらに、オプションのRACCOONがデータ移行やデータ変換、さらにETLツールとして活用できることも新しいプラットフォームの導入へと情報システム部門の背中を押した。それというのも、小泉産業グループでは2010年ごろから脱メインフレームの気運が高まり、NEC ACOS(以下、ACOS)にあった基幹システムをIBM Power SystemやOracle E-Business Suite(以下、EBS)へとグループ会社が移していったのだ。

ここで一つの課題となったのがデータ移行だ。ACOSからEBSのOracle DBの間でのデータ移行になにかツールが必要だった。小泉産業株式会社 情報システム部 開発運用2課 成器グループ 久保田 雅之 氏は、次のように振り返る。
「ベンダーの挙げたツールは非常に高価でした。また、EBCDICコードは問題ないが、全角文字などを移行しようとすると、細かな設定が必要でした。30~40のデータ種があり、受注データ関連だけで何十万件とあるので、工数がかかりすぎるため、どうしたものかと思っていました。そうした中でRACCOONを試しに使ってみると、文字コード変換の設定の手間もなくデータ移行できたので、『これだ!』と思いました」

また、IBM Power Systemにある帳票システムとEBSとのデータ連携も必要だった。この帳票システムは、物流関連帳票を主として約300種類が設定済みだ。このボリュームを考慮して帳票処理はIBM Power Systemのものを利用することにしたのだ。
「IBM Power とEBS のデータ変換プログラムをCOBOLで書く方法はありました。しかし、 COBOLエンジニアはすでに確保が難しく、開発に時間がかかる、メンテナンスが難しい、属人性も高くなるという課題がありました。その点、ACMS Apex + RACCOONならノンプログラミングかつ短期間でデータ連携を実現できました」
小泉産業株式会社 情報システム部 開発運用2課 成器グループ グループ長 羽地 慶晃 氏はこう語る。

ACMS Apex + RACCOONがグループ企業全体のデータ連携基盤に

2018年3月、同社はACMS Apexの導入を正式に決定。インターネットEDIへの移行に伴い回線環境や送受信設定を見直しながら、取引先単位で段階的にACMS E2Xからの切り替えを行い、2019年初めから全面本稼働をスタートさせた。

導入から3年半、情報システム部門で日々その効果が実感されているのはRACCOONだ。久保田氏は次のように語る。
「Oracle DBへのデータ移行は、とても順調に進みました。当初の候補ツールを使っていたら移行だけで数日かかりきりになっていたでしょうが、RACCOONを活用したおかげで、半日で終了しました。しかも開発コストは当初想定の1/3以下ですみました」

帳票システムとEBSとのデータ連携に必要な変換プログラムについても、属人性が解消された。従来は2名のCOBOLエンジニアで担当していたため、彼らが休みを取ると動きが取れなくなった。しかし、現在は4名のエンジニアがRACCOONを使えるようになっており、さらにいつでも増員できる状況にあるという。
「COBOLエンジニアを育成しようとすると、少なくとも数か月はかかりますが、RACCOONの操作を覚えるのには数日しかかかりません。この数か月単位と数日単位の教育工数差は非常に大きいものがあります。
このツールはまた、仕様書の品質向上にも大きな役割を果たしています。データ変換の処理内容をExcel形式の仕様書に出力できるので、簡単かつ正確に共有可能です。従来はグループ企業から設定内容の問い合わせがあると、 COBOLソースを見て小泉産業側ですべて調査・対応していましたが、今では『これを見て』と各自で確認してもらえます。小泉産業側の運用負荷が大きく軽減しました」
小泉産業株式会社 情報システム部 開発運用2課 課長 山田 忠幸 氏は語る。

一方、ACMS Apexについて羽地氏は次のように語る。
「今回、切り替えの際に、回線環境をかなり整理しました。それにも関わらず従来同様に利用できており、ACMS E2X時代からの信頼に応える働きを見せてくれています」

そして何より大きいのは、この切り替えでEDIシステムの刷新だけでなく、EDIからグループ企業の基幹システム、帳票システムなどサブシステムをつなぐデータ連携基盤の下地が整ったことだ。

今後、小泉産業グループでは、グループ各社の基幹システム再整備やSaaSの活用といった構想があるが、小泉産業はデータ連携基盤ACMS Apex+RACCOONを核に、これからもグループ各企業を全力で支援していく。

ACMS Apex + RACCOONがグループ企業全体のデータ連携基盤に

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