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データ・インテグレーションは、けっしてそれ自体が目的ではない。あらゆるデータが自由自在に連携する基盤の上で、社会にどんな新たな価値を生み出していけるのか。データ・アプリケーションで経営企画に携わる矢下が語る。

Profile

矢下 秀行

株式会社データ・アプリケーション
経営企画管理本部
経営企画グループマネージャー

大手金融機関で営業・人事・財務やJV設立、DX系の新事業創出などを経験し、PRコンサルティング会社に転身して経営企画にて、M&A・海外への事業展開・新規事業創出・広報IRなどに携わった後、データ・インテグレーションの可能性に惹かれて2021年にデータ・アプリケーションに入社。現在はM&A戦略・IR戦略の立案実行などを含めた経営企画に従事している。

※所属、掲載内容は取材当時のものです

Theme 01

社会におけるデータ活用は、世間が騒いでいるほど進んでいない

“データ・インテグレーション”、すなわち、さまざまなデータソースからのデータを統合し、一元化して活用することで新たな価値を生み出す流れが起こっています。しかし、実際には、世間が騒いでいるほどデータ・インテグレーションは進展していないというのが私の実感です。昨今、政府もデジタル庁を立ち上げ国を挙げてのDXの推進を掲げ、世の中にあるさまざまなデータを集約・分析して行政サービスの向上を図ろうとしていますが、それもなかなか一筋縄ではいかず、企業内におけるデータ連携も遅れているのが実情です。

一方、海外に目を向ければ、企業内・企業間のデータ連携は日本と比べてかなり進んでいます。それは、日本ならではのシステムの設計思想にも起因します。多くの海外企業は、業務改善にあたってERP(Enterprise Resources Planning)パッケージなどをそのまま導入し、パッケージに業務を合わせる形で経営を合理化しています。しかし、日本企業はパッケージをそのまま導入せず、各部門の意向に沿う形でカスタマイズを施し、業務にシステムを合わせるケースがほとんどです。こうした文化がデータ連携の障壁となっています。

また、現場からデータ連携を提案して業務が効率化されれば自らの仕事を失うという恐れもあり、なかなか現場主導でデータ・インテグレーションが進まず、経営者の強い意思がなければ実現しないという事情もあります。

Theme 02

データ連携で、新たなビジネスが生み出せるチャンスが続々

社会におけるデータ・インテグレーションは遅れているものの、データ活用によるDXが企業の競争力や付加価値の向上を大きく左右する時代となり、今後必ず求められるものであることは疑いありません。そのためのデータ連携基盤を実現するソリューションは、当社の製品を筆頭にすでに社会に提供されています。しかし、データ連携ができればいいというだけでは、当社としても面白くない。我々が提供しているのは、あくまでもデータをつなぐための仕組みです。その点と点がつながって線になった時、そこには新たなビジネスチャンスがいくつも秘められていると思っています。我々がもたらすデータ連携基盤を介して、膨大なデータがDWH(Data Ware House)などにたまることになり、そこからいかに価値を生み出していくか今後いっそう問われていきます。

また、たとえばECの売上情報などのフロントデータ、あるいは商品の受発注情報などのバックデータ、さらにAIやBIに分析させるためのDWHからのデータなど、企業内外のシステム状況は、それぞれが別個につながっている状態です。これらすべてを全体的につなぎ、いままで連携していなかったシステムもつないで新たなデータを作り出し、それを分析することでいままでにない知見が得られるかもしれない。こうして一企業の全社的な視点で、データの流れ・分析・活用をコンサルティングしている専門企業はまだ存在しておらず、大きなビジネスチャンスのひとつと考えています。

Theme 03

データ・インテグレーションは、この国を変える力を秘めている

データを連携し、そこで蓄えられたデータに何かをかけ合わせることで、本当に大きな価値を生み出すことができる。データ・インテグレーションのその先には、非常に夢のある世界が広がっていると私は思っています。たとえば、スマートシティを実現する上でも、データ・インテグレーションが重要な役割を果たします。最近、自治体と企業が協業し、あるエリアの街角に配置したカメラで撮影した映像をAIが解析して、通りを行き交う人たちの属性を明らかにし、その分析結果をお店に送ってリアルタイムなマーケティングを可能にするなど、ユニークなプロジェクトが繰り広げられています。こうした取り組みを支えているのもデータ・インテグレーションのひとつです。

また、冒頭に触れた政府のデジタル化施策においても、たとえば国民の医療情報をデータ連携基盤の上で運用し、日本のどこでもその人にとって最適な医療をストレスなく受けられる仕組みが実現できれば、私たちの暮らしの質は劇的に向上するはずです。データ・インテグレーションからのアプローチで、こうした未来を創ることに当事者として参加できることに、私は個人的にとても興奮しています。

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