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データ・インテグレーションが社会に波及していくことが、日本のITにかけられた足枷を解放し、新たなイノベーションにつながっていく。この領域を極めるデータ・アプリケーションでコンサルティングを担う竹島が、その意図を語る。

Profile

竹島 良治

株式会社データ・アプリケーション
コンサルティング本部 第1コンサルティンググループマネージャー

2019年、データ・アプリケーションに入社。国内のSIerから、当社が開発するデータ連携基盤である“ACMS Apex”の可能性に惹かれて転職。入社後は、ACMS Apexのプリセールス活動とエンハンス提案に携わり、現在、データ・インテグレーションのコンサルティングを行うチームのリーダーを務める。

※所属、掲載内容は取材当時のものです

Theme 01

最大の問題は、システム間の連携が個別開発に陥っていること

なぜいま、“データ・インテグレーション”が重要視されているのか。その背景には、サイロ化しているとも言われる日本企業のITの現状があります。いまや企業のビジネスにITは不可欠であり、特に大手企業はほぼシステム化が完了しています。しかし、その内情を見れば、現場がそれぞれ個別課題に対応するシステムを次々と開発し、それが積み重ねられ、部分最適の集合体となってしまっているのです。結果的に、DXに求められる社内横断的なデータ統合と利活用を阻む要因になっているとも目されています。しかし、私はシステムが部分最適で作られていることが問題なのではなく、システム間の連携が個別開発となっていることが問題なのだと考えています。

いまやシステム間のデータ連携は当然の機能ですが、従来、この機能は必要になった時に都合の良い方式で、その時に依頼が可能なベンダーによって実装されてきました。しかし、通信の方式やデータ形式を統一するといった取り組みがされておらず、別のシステムを追加する時にはデータ連携機能を毎回開発し続けてきたため、結果としてデータ連携のスパゲッティ化が起きてしまっています。DXが企業の命運を握るとも言われるいま、もはやシステム同士がつながっていればいいという時代ではありません。新たなシステムを導入するたびにデータ連携のプログラムをスクラッチで作っていては、スピード感に欠け、競争力が損なわれます。その足枷を解放するためのソリューションが、データ・インテグレーションなのです。

Theme 02

データ連携基盤の導入により、データの集約・分析・活用が最適化される

データ・インテグレーションとは、異なるデータソースからデータを統合し、分析や利活用に適した形に変換するプロセスのことです。企業内にある数多くのシステムを連携させ、システムやデータ、アプリケーションを統合する手法として、従来よりEAI(Enterprise Application Integration)やORB(Object Request Broker)、SOA(Service-Oriented Architecture)といった手法の導入や、データの抽出・変換・ロードを行うETLツールなどが必要であり、それらを備えたデータ連携基盤の導入こそ、前段でお話しした問題を解決する有力な手段です。システム間の連携を、このデータ連携基盤を経由して行えば、一定の品質を保った連携用アプリケーションによるデータ連携を統一されたオペレーションで一元管理することが可能になります。したがって、個別開発コストや運用コストの削減が見込まれるとともに、データ連携を整理できるので今後のシステム間連携のスピードアップを図ることもできます。

この基盤の上でデータ連携を統合することにより、発生したデータは統一された方式で取り扱うことができ、また、必要なデータは統一された手法で入手できるようになります。昨今は、さまざまなシステムから詳細なデータが高頻度で収集されるようになっていますが、これらはある程度の量がたまるまでバッファリングして、まとめて登録するのが効率の良い方法だと言えます。また、AIやBIなどの分析基盤上で必要となるデータを集める上でも、すでに流れているデータに含まれているものならば分岐して分析基盤に渡すことが可能になり、データの発生元となるシステムに影響を与えず、さまざまなデータを収集することができるようになります。

Theme 03

誰もが簡単にデータを操れる環境を実現し、イノベーションにつなげていく

データ連携基盤を導入することで、企業の情報資産を効率的に運用できるようになります。そしてこのデータ連携基盤は、誰もが容易に扱えるものでなければ、企業の真の競争力強化にはつながらないと考えています。たとえば、あるデータベースに格納されている情報を抜き出して分析をかけたい時、GUIの操作ひとつで必要なデータを簡単に抽出できるような仕組みを設ければ、プログラミングの知識がない人でも、データを思いのままに操ることができる。こうした機能を持たせることで、データ連携基盤の存在価値はますます高まっていきます。

また、データ連携のハードルが下がることによって、いままで連携していなかったシステムも連携の輪に組み入れることができ、業務の自動化がますます進んでいきます。結果、クリエイティブな作業に費やせる時間が増えていく。いろんな人が自由にデータを活用できる環境があれば、それがイノベーションをもたらし、企業価値の向上に寄与するものと考えています。

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