データ活用・データ連携のお役立ちコラム

データ連携基盤とは?導入メリットや構築手順、成功事例を解説

最終更新日:2026/08/05 データ連携基盤とは?導入メリットや構築手順、成功事例を解説

DXの推進やクラウドサービスの普及に伴い、多くの企業では社内外にデータが分散し、システム間の連携が複雑化しています。その結果、二重入力やデータの不整合、運用・保守負荷の増大といった課題に悩むことも少なくありません。こうした問題を解決し、データを企業の財産として有効活用するのに資する技術として注目されているのが「データ連携基盤」です。本記事では、その役割や構成要素、導入メリット、構築手順、導入事例までを体系的に解説します。

INDEX

  1. データ連携基盤とは
  2. データ連携基盤が必要な理由
  3. データ連携基盤の構成要素
  4. データ連携基盤を利用するメリット
  5. データ連携基盤の主な連携方式
  6. データ連携基盤ツールの選び方
  7. データ連携基盤の構築手順
  8. データ連携基盤を構築する際の課題と対策
  9. データ連携基盤の導入状況
  10. 自治体におけるデータ連携基盤の導入
  11. データ連携基盤導入成功事例
  12. まとめ

データ連携基盤とは

データ連携基盤とは、社内外に分散するさまざまなシステムやサービスのデータをつなぎ、収集・加工・変換したうえで、必要な場所へ安全かつ効率的に受け渡すための仕組みです。社内では基幹システムやSaaS、データベース間の情報共有を円滑にし、社外では取引先やクラウドサービスなどとのデータ連携を支えます。システムごとに個別の連携を構築・管理する負担を軽減し、データ活用の効率化や業務の自動化、迅速な意思決定を実現する基盤として利用されています。

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データ連携基盤が必要な理由

企業では、クラウドサービスや業務システムの導入が進んだことで、データが複数のシステムに分散して管理されるケースが増えています。それぞれが独立して運用されると、同じ情報を何度も入力したり、手作業でデータを集約したりする必要が生じ、業務効率やデータの正確性に影響を及ぼします。また、システムごとに個別の連携を構築すると、運用や保守の負担が増大し、システム追加や変更への対応も複雑になります。こうした課題を解決し、データを円滑に活用するためにデータ連携基盤が求められています。

データ連携基盤の構成要素

データ連携基盤を構築するには、データの収集や変換、転送、蓄積、管理などを担う複数の機能を組み合わせる必要があります。それぞれが連携することで、安定したデータ活用を支える基盤が整います。

データの取得(Extract)

データの取得(Extract)とは、基幹システムやSaaS、データベース、クラウドストレージ、業務アプリケーションなど、社内外に点在するさまざまなデータソースから必要な情報を収集する機能です。APIやEDI、CSVファイル、データベース接続など複数の連携方式に対応しているケースが多く、人手を介さず自動でデータを取得できるため、情報収集にかかる工数を大幅に削減できます。また、取得するデータの対象や頻度を柔軟に設定できるため、リアルタイム連携から定期的なバッチ処理まで幅広い業務に対応可能です。新たなシステムを追加する際も、接続先を拡張しやすい点が大きな特長です。

データの編集・変換(Transform)

データの編集・変換(Transform)では、取得したデータを利用目的に合わせて加工し、異なるシステム間でも利用しやすい形式へ整える処理を行います。システムごとに異なるデータ形式や項目名、コード体系を統一するほか、不要なデータの削除や複数データの結合、計算処理、データの補完なども自動で実行します。これにより、システム間の仕様の違いを吸収しながら、一貫性のあるデータを維持できます。分析基盤や業務システムでそのまま活用できる品質へ整備することで、データの信頼性向上や業務効率化にもつながります。

データの出力・連携(Load)

データの出力・連携(Load)とは、編集・変換したデータを目的に応じてデータベースやデータウェアハウス、BIツール、業務システム、SaaSなどへ自動的に受け渡す機能です。連携先ごとの仕様や更新タイミングに合わせてデータを適切に配信することで、各システムが常に最新の情報を参照できる環境を構築します。また、一度加工したデータを複数のシステムへ同時に配信することも可能で、部門間や企業間で情報を効率よく共有できます。データの重複管理や転記作業を削減し、迅速な業務遂行や意思決定を支える役割を担います。

運用管理・監視

これは、データ連携が計画どおりに実行されているかを継続的に確認するもので、安定したシステム運用を支えるのに必要な機能です。連携処理の実行状況や処理時間、エラーの発生状況を監視するとともに、異常が発生した際には通知やログを通じて原因を迅速に特定できるようにします。また、処理スケジュールの管理やアクセス権限の設定、ジョブの実行履歴の確認などを行うことで、安全性や信頼性を維持しながら継続的なデータ連携を実現します。運用負荷の軽減や障害発生時の迅速な復旧にも欠かせない機能です。

データ連携基盤を利用するメリット

データ連携基盤を導入することで、システム間のデータ連携を自動化・一元化でき、業務効率やデータ活用の質を向上させることができます。ここでは、データ連携基盤を利用することで得られる代表的なメリットについて紹介します。

1、データの信頼性向上

データ連携基盤を導入すると、システム間でデータを自動的に受け渡せるようになり、手作業による転記や重複入力の機会を大幅に減らせます。また、異なるシステムで管理されているデータをあらかじめ設定したルールに基づいて加工・変換することで、データ形式や項目名、コード体系などの違いを吸収し、一貫性のあるデータとして管理できます。これにより、システムごとに異なる情報が登録されるリスクや入力ミスを抑制し、部門間でも同じデータを安心して共有できる環境を構築できます。分析やレポート作成、経営判断に利用するデータの精度が向上し、企業全体のデータ品質を高められることも大きなメリットです。

2、業務効率化・自動化

データ連携基盤は、データの収集から加工、各システムへの受け渡しまでを自動化できるため、これまで担当者が手作業で行っていた定型業務を大幅に削減できます。複数のシステムを横断してデータを取りまとめる場合でも、CSVファイルの作成や転送、転記作業を繰り返す必要がなくなり、作業時間の短縮と人的ミスの防止につながります。また、定期的なデータ連携をスケジュール実行できるため、担当者が毎回処理を行う必要もありません。業務の属人化を防ぎながら、生産性を高め、担当者が企画や分析など付加価値の高い業務へ集中できる環境を整えられます。

3、システム運用・保守負荷の軽減

システムごとに個別のデータ連携を構築すると、新しいシステムの追加や既存システムの改修が発生するたびに、それぞれの連携プログラムを修正する必要があり、運用や保守の負担が大きくなります。データ連携基盤を利用すれば、連携処理を一元的に管理できるため、変更時の影響範囲を把握しやすくなり、設定変更や改修作業も効率的に行えます。さらに、実行状況やエラーを一か所で監視できるため、障害発生時の原因究明や復旧も迅速に進められます。システム全体の安定運用を維持しながら、保守工数や運用担当者の負担を軽減できる点も利点といえます。

4、コスト削減

システムごとに個別の連携プログラムを開発・保守する必要が少なくなるため、開発費や運用費を抑制できます。また、データ入力や転記作業を自動化できるため、担当者が定型作業に費やす時間を削減し、人件費の最適化にもつながります。さらに、データの不整合や入力ミスによる修正作業、障害対応、問い合わせ対応などの間接的なコストも低減できます。将来的にシステムや連携先が増えた場合でも、既存の基盤を活用して柔軟に対応しやすく、長期的な運用コストの低減に貢献します。

5、迅速なデータ活用・意思決定

各システムの情報を迅速に集約・共有できるようになることで、部門ごとに分散していたデータを横断的に活用する環境が構築できます。販売実績や在庫情報、顧客情報などを最新の状態で把握できるため、変化する市場や経営環境に応じた迅速な意思決定が行いやすくなります。また、BIツールやデータウェアハウス、AI分析基盤との連携も容易になることから、リアルタイムに近いデータ分析や将来予測にも役立ちます。つまり、データを企業全体で共有・活用できる環境が整備でき、より精度の高い経営判断や業務改善が実現します。

データ連携基盤の主な連携方式

データ連携基盤では、連携するシステムやデータの特性に応じて、さまざまな方式が利用されています。それぞれ仕組みや適した用途が異なるため、目的や運用環境に応じて最適な連携方式を選択することが重要です。

ETL

ETLは、「Extract(抽出)」「Transform(変換)」「Load(格納)」の頭文字を取ったデータ連携方式です。複数のシステムから必要なデータを取得し、利用しやすい形式へ加工・変換した上で、データベースやデータウェアハウスへ取りこみます。大量のデータを効率よく統合・蓄積できるため、データ分析やBI活用、経営レポートの作成などに広く利用されています。異なるシステムに分散したデータを一元管理し、分析しやすい環境を整えられる点が特長といえます。

EAI

EAI(Enterprise Application Integration)は、企業内で利用される複数の業務システムを連携させるための方式です。異なるシステム間でデータや処理を連携し、受発注や在庫管理、会計などの業務をシームレスにつなげます。個別にシステム同士を接続する必要がないため、システム全体を効率的に運用できるほか、保守性や拡張性を高められる点が魅力です。また、既存システムを生かしながら新しいシステムを導入しやすく、業務全体の最適化にも貢献します。

API

API(Application Programming Interface)は、異なるシステムやアプリケーション同士が機能やデータをやり取りするための仕組みです。必要な情報をリアルタイムに取得・更新できるため、クラウドサービスやWebアプリケーションとの連携で広く利用されています。柔軟にシステムを接続できることに加え、新しいサービスとの連携や機能追加を迅速に行えることで、変化するビジネス環境に柔軟に対応できます。近年ではSaaS同士の連携やモバイルアプリとの情報共有など、幅広い場面で活用されています。

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データ連携基盤ツールの選び方

データ連携基盤ツールは、製品ごとに対応する連携方式や機能、運用性が異なります。導入効果を最大限に引き出すためには、自社のシステム環境や業務要件を踏まえ、目的に適したツールを選定しましょう。

連携したいシステム・データ形式に対応しているか

まずは、自社で利用している基幹システムやSaaS、データベース、クラウドサービスなどと問題なく接続できるかを確認することが重要です。また、APIやCSV、XML、JSONなど、必要なデータ形式に対応しているかどうかもチェックしておきたいものです。連携対象との互換性が高いツールほど、導入や運用をスムーズに進められます。

開発・設定が容易か

継続的に利用する基盤であるため、導入時だけでなく運用時に使いやすいかどうかも見逃すことはできません。ノーコードやローコードで設定できるツールであれば、専門的なプログラミング知識がなくても連携処理を構築しやすくなります。設定変更や機能追加にも柔軟に対応できるため、開発期間の短縮や運用負荷の軽減につながります。

拡張性・柔軟性があるか

企業の成長に伴い、連携するシステムやデータ量は増加する可能性があります。そのため、新たなクラウドサービスや業務システムを追加しても柔軟に対応できる拡張性を備えたツールを選ぶことが大切です。また、業務要件の変化に合わせて連携内容を変更しやすい製品であれば、将来的なシステム改修にも対応しやすくなります。

セキュリティ対策が充実しているか

企業の重要な業務データや顧客情報を取り扱うため、十分なセキュリティ対策が求められます。通信やデータの暗号化、アクセス権限の管理、多要素認証、操作ログの記録などの機能を備えているかを確認しておきましょう。これにより、情報漏えいや不正アクセスのリスクを抑え、安全なデータ連携を実現できます。

運用・保守がしやすいか

データ連携基盤は導入後も継続して利用するため、日々の運用や保守のしやすさも欠かすことのできない選定基準です。連携処理の実行状況やエラーを一元的に監視できる機能や、障害発生時の通知、ログ管理などが充実しているツールであれば、トラブルへの迅速な対応が可能になります。ベンダーのサポート体制やマニュアルの充実度も確認しておくと安心です。

データ連携基盤の構築手順

この基盤を効果的に活用しようとするなら、自社の業務要件やシステム環境を踏まえながら、適切な手順で構築を進めることが肝要です。ここでは、一般的なデータ連携基盤の構築手順について紹介します。

目的の明確化と現状整理

最初に導入目的を明確にし、現行システムやデータの管理状況、業務フローを整理します。現在抱えている課題や連携対象を洗い出すことで、必要な機能や構築範囲が具体化できます。

要件定義

目的や現状を踏まえ、連携するシステムや更新頻度、処理性能、セキュリティ要件などを整理します。必要な機能や運用条件を明確にしておくことで、構築後の認識違いや手戻りを防げます。

ツール選定

要件定義で整理した内容を基に、必要な機能や連携方式に対応したデータ連携基盤ツールを選定します。対応システムや操作性、拡張性、サポート体制なども比較し、自社の運用に適した製品を選ぶことが重要です。

接続設計・データ定義

選定したツールを前提に、システム間の接続方法やデータの変換ルール、項目の対応関係などを設計します。データの流れや処理内容を事前に整理しておくことで、安定した連携とデータ品質の維持が実現できます。

導入・検証・運用設計

設計内容に基づいてデータ連携基盤を構築し、想定どおりに連携できるかを検証します。あわせて監視方法や障害発生時の対応手順、運用ルールを整備することで、導入後も安定した運用を継続できます。

データ連携基盤を構築する際の課題と対策

データ連携基盤の構築では、システム間の互換性やデータ品質、運用体制など、さまざまな課題が発生するリスクがあります。安定したデータ連携を実現するためには、想定される課題を事前に把握し、適切な対策を講じなければなりません。

リスク1:データ定義のバラつき

同じデータを扱っていても、システム間で項目名やコード体系、データ形式などが違っていると、連携時に不整合や誤変換が発生します。

【解決策】

このような問題を防ぐには、設計段階でデータカタログを整備し、データの定義や管理ルールを明確にすることが重要です。あわせて、データオーナーを定めて管理体制を整備することで、継続的なデータ品質の維持が実現します。

リスク2:システム追加や仕様変更への対応

企業では新たなシステムやクラウドサービスの導入、既存システムの更新などが継続的に発生します。拡張性を考慮せずにデータ連携基盤を構築すると、そのたびに大規模な改修が必要となり、運用負荷やコストが増大する恐れがあります。

【解決策】

柔軟に連携先を追加できるツールを選定するとともに、APIや標準規格を活用した拡張性の高い設計を第一に考えましょう。

リスク3:属人化とブラックボックス化

データ連携の設定や運用が特定の担当者に依存すると、担当者の異動や退職によって保守や障害対応が困難になる恐れがあります。また、連携処理の内容が十分に共有されていないと、システム全体がブラックボックス化し、改修時のリスクも高まります。

【解決策】

GUIやローコードに対応したツールを活用するとともに、設計書や運用手順を整備し、誰でも内容を把握できる環境を整えることが必要です。

データ連携基盤の導入状況

それでは、データ連携基盤導入は実際どこまで進んでいるのでしょうか。ITRの2024年調査によると、従業員50名以上の国内企業に勤務するIT関連部門担当者約3,000名を対象にデータ連携システムの導入状況を尋ねたところ、「導入済み」が32%、「企画段階」が25%、「検討段階」が15%という結果となりました(図1)。すでに約3社に1社がデータ連携基盤の導入を進めていることがわかります。また、「企画段階」と「検討段階」を合わせると40%に達しており、多くの企業がデータ連携システムの導入に前向きな姿勢を示していることがうかがえます。

図1 従業員50人以上の国内企業におけるデータ連携システム導入状況

図1 従業員50人以上の国内企業におけるデータ連携システム導入状況
出典:ITR「EDIおよびデータ連携に関するユーザー調査」(2024年4月調査)

データ連携基盤の活用目的

続いて、データ連携システムを「導入済」と回答した企業に、その活用目的を尋ねました。その結果、最も多かったのは「クラウドとオンプレミス間でのデータ共有」でした。一方で、それだけが突出しているわけではなく、「コミュニケーションツールとの連携」「複数クラウド間でのデータ共有」「取引先とのデータ共有」など、いずれも回答割合が2割を超えています(図2)。データ連携という技術が、特定の用途にとどまらず、社内外のさまざまなデータ連携を支える基盤として幅広く活用されていることがわかります。

図2 データ連携システムの導入目的

図2 データ連携システムの導入目的
出典:ITR「EDIおよびデータ連携に関するユーザー調査」(2024年4月調査)

自治体におけるデータ連携基盤の導入

近年、データ連携基盤の活用は企業だけでなく自治体にも広がっています。デジタル庁は、行政手続や交通、防災、健康、観光など分野ごとに分散しているデータを連携・共有する「エリアデータ連携基盤」の整備を推進しています。これにより、住民一人ひとりに最適化された行政サービスの提供や、新たな地域サービスの創出を同庁はめざしています。また、基盤を複数自治体で共同利用することで、構築・運用コストの削減や広域でのDX推進、相互運用性の確保も期待されています。

データ連携基盤導入の成功事例

データ連携基盤は、業種や業態を問わず幅広い企業で導入が進んでいます。ここでは、異なる課題を抱えていた企業が、この基盤を活用して業務改革やDXを実現している代表事例を紹介します。

システム間データ連携の標準化による運用改革

ある電気機器メーカーでは、ERPをはじめとする複数の業務システムを運用していましたが、システム間のデータ連携は個別に構築・運用していました。そのため、新たな連携のたびに仕様確認や設計、開発、部門間調整が必要となり、実現までに長いリードタイムを要していました。また、接続経路の増加によるセキュリティリスクや、システム全体を俯瞰しづらいことによる内部統制の難しさ、さらにはDX推進のスピード低下も課題となっていました。

そこで同社は、システム間データ連携を一元的に担うプラットフォームを構築し、接続方式やデータ変換を標準化するとともに、開発・運用を内製化できる体制を整備しました。導入前にはPoCを実施して運用方法や機能を十分に検証し、既存システムとの連携を段階的に移行しました。

その結果、社内外システムとのデータ連携を迅速かつ安全に実現できるようになったほか、障害発生時の復旧作業や関係者間の調整工数が大幅に削減されました。さらに、システム全体の統制性と運用品質が向上し、将来的なシステム拡張や外部サービスとの連携にも柔軟に対応できる環境を実現しています。

メインフレーム刷新を機に全社データ連携基盤を構築

多くの製品カテゴリを展開する大手消費財メーカーでは、事業や製品ごとに輸配送、在庫管理、生産管理システムが個別に構築・運用されていました。そのため、システムごとにデータ形式や連携方法が異なり、情報の重複管理や個別開発が発生するほか、全社横断でデータを有効活用しにくい状況にありました。また、長年利用してきたメインフレームは、保守・運用負荷の増大や将来的な柔軟性の面で限界が見え始めていました。

そのため同社では、ERPの刷新に合わせてメインフレームを撤廃するとともに、製品カテゴリごとに分散していた輸配送・在庫・生産管理システムの共通機能を統合しました。さらに、システム連携ツールを導入し、個別製品システム、共通システム、ERPを包括的に接続するデータ連携基盤を構築しました。

結果として、システム間のデータ連携が自動化され、手作業によるデータ受け渡しや二重入力が削減されるとともに、データの整合性や鮮度の向上が期待できる環境が整いました。また、共通機能を集約したことでシステム全体の標準化が進み、保守・運用や将来の改修にかかる負担も軽減されました。さらに、製品カテゴリごとに分散していた業務基盤が統合されたことで、サプライチェーン全体を横断した情報活用や業務の標準化が進み、全社最適の視点でシステムを運用できる環境が整いました。

勘定系メインフレームを生かしたデータ連携基盤の構築

大手金融機関では、金融APIの公開やFinTech企業との連携を積極的に推進していましたが、基幹業務を担う勘定系システムは長年メインフレーム上で稼働しており、金融サービスを安定的に提供し続ける必要があることから、大規模な刷新は現実的ではありませんでした。

FinTech関連システムをはじめとする外部システムとの連携を実現するため、同社では、勘定系システムとのメッセージ連携インターフェースをiPaaSコネクタで吸収することにしました。そこを介して各種システムへデータを連携するアーキテクチャを採用したのです。これにより、メインフレーム側へ大きな改修を加えることなく、新旧システムを接続できるデータ連携基盤が構築できました。

この取り組みにより、勘定系システムの安定稼働を維持しながら、金融APIやFinTechサービスとの連携を迅速に実現できる環境が整いました。また、新たな連携先が増えた場合でも、個別にインターフェースを開発する必要が減り、システム開発や保守・運用の効率化にもつながりました。さらに、iPaaSをハブとする構成を採用したことで、将来的なクラウドサービスや新規アプリケーションとの接続にも柔軟に対応できる拡張性を確保し、既存資産を生かしながら段階的にDXを推進できるシステム基盤を実現しました。

データ連携基盤なら「ACMS Cloud」がおすすめ

クラウド型データ連携プラットフォーム「ACMS Cloud」は、まさにデータ連携基盤構築に必要なすべてを備えています。EDIとiPaaSを融合した形で、社内システムから取引先、外部サービスまで、あらゆるデータをシームレスに接続できます。
ACMS Cloudを活用することで、社内外のデータをリアルタイムで統合・可視化できるようになり、業務全体の最適化が実現します。また、APIを中心とした柔軟な連携により、既存システムとクラウドサービスを横断したデータ活用が可能となり、時々刻々と変化する事業環境にも迅速に対応できます。
さらに、クラウドサービスとして提供されるため、インフラ構築やサイジング作業が不要で、短期間で利用開始できるなど導入のハードルが低い点も魅力。これからデータ連携基盤を本格的に導入しようという企業におすすめのプラットフォームです。

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まとめ

データ連携基盤は、システム同士をつなぐだけではなく、企業全体でデータを継続的に活用するための土台となる技術です。導入効果を最大限に引き出すには、連携方式やツールの機能だけでなく、データ管理や運用体制まで含めて設計することが欠かせません。本記事で紹介したポイントを参考に、自社の業務課題や将来の拡張性を見据えながら、持続的なデータ活用を支える仕組みづくりをぜひご検討ください。

この記事の執筆者

DAL データ連携EDIETL

データ・アプリケーション
データ活用研究チーム

データ活用・データ連携のお役立ちコラム

経歴・実績
株式会社データ・アプリケーションは、日本を代表するEDIソフトウェアメーカーです。設立は1982年、以来EDIのリーディングカンパニーとして、企業間の取引を円滑に効率化するソリューションを提供しています。1991年からは日本の標準EDIの開発やSCM普及にも携わっており、日本のEDI/SCM発展に寄与してきました。
現在は、EDI/SCM分野のみならず、企業が所有しているデータの活用についてもビジネススコープを広げています。ハブとなるデータ基盤提供を始めとして、さまざまな角度から幅広く研究・分析を行っており、その提言を通じて日本企業のDX推進を後押ししています。


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