データ活用・データ連携のお役立ちコラム
データ活用・データ連携のお役立ちコラム
RPAという用語、最近よく耳にする機会が増え、業務効率化の手段として注目されています。貴社でも「導入を検討すべきでは」といった声が上がりはじめているかもしれません。しかし、このRPA、実際にどのようなもので、どのように業務に役に立つのか、今ひとつイメージできないというのも一面の事実ではないでしょうか。この記事では、RPAの概要から導入によるメリット、押さえておきたい注意点、さらに具体的な活用事例までをわかりやすく解説します。
RPAとは、正式名称をRobotic Process Automationといいます。これは、定型業務をソフトウェアのロボットによって代行させる技術です。人がPC上で行う操作、具体的には、アプリケーションの起動、データ入力、帳票の作成、ファイルの整理、メールの送受信、システム間の情報転記などを、プログラムによって模倣し、自動的に実行させることが可能です。これによって期待できるのは、業務の効率化や人的ミスの削減です。従来、何か業務を改善しようとすると、大なり小なりシステム化が必要でしたが、RPAはこれとは異なり、既存のシステムを改修することなく導入できます。この点が大きな特長です。また、ユーザーインタフェースを通じて操作の自動化を設定できるため、情報システム部門だけでなく、業務部門でも比較的容易に導入可能です。さらに、人と違って24時間稼働できるため、業務スピードの向上や業務の継続性確保にも役立ちます。
働き方改革と深刻な人手不足を背景に、業務自動化ニーズが高まりRPAが急速に注目されています。
参考:https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/r04/html/nd121110.html
RPAによる業務自動化は、すべてが同じ仕組みやレベルで行われるわけではありません。日本では、自動化できる業務の範囲や、AIによる判断の有無などに応じて、「クラス1:RPA」「クラス2:EPA」「クラス3:CA」の3段階に分類されることが多く、総務省の資料でもこの分類が紹介されています。
クラスが上がるほど、決められた作業を繰り返すだけでなく、AIと連携した判断や業務プロセスの改善など、高度な自動化が可能になります。それぞれの特徴を見ていきましょう。
クラス1のRPAは、あらかじめ設定されたルールや手順に沿って、定型業務を自動化する段階です。
たとえば、システムへのデータ入力、複数システム間での情報転記、定期的なデータ収集、帳票作成など、判断を必要としない反復業務に適しています。作業手順が明確であれば、ソフトウェアロボットが人に代わって正確に処理を実行できます。
一方で、想定していないデータが入力された場合や、処理の途中で人による判断が必要になった場合は、正しく処理できず停止することがあります。そのため、クラス1では、業務手順や条件を事前に整理しておくことが重要です。
クラス2は「EPA(Enhanced Process Automation)」と呼ばれ、RPAとAIを組み合わせることで、一部の非定型業務まで自動化する段階です。
従来のRPAでは処理が難しかった文章や画像などの非構造データをAIが解析し、その結果に基づいてRPAが処理を実行します。たとえば、AI-OCRで請求書の内容を読み取り、その情報をRPAが業務システムへ登録するといった活用が考えられます。
単純な反復作業だけでなく、一定の判断を伴う業務まで自動化できるため、RPAの適用範囲を広げられる点が特徴です。
クラス3は「CA(Cognitive Automation)」と呼ばれ、高度なAIを活用して業務プロセスの分析や改善、意思決定まで自動化する段階です。
過去のデータや処理結果をもとにAIが学習し、状況に応じて適切な対応を判断します。決められた手順を実行するだけでなく、処理方法を改善したり、次に取るべき行動を選択したりするなど、より自律的な業務遂行をめざすものです。
クラス3では、ディープラーニングや自然言語処理などの技術も活用されます。人が設計した固定的なルールだけでは対応しにくい、複雑な業務への応用が期待されています。
RPA・EPA・CAの違い(比較表)
| クラス | 名称 | 自動化できる業務 | AIの関わり | 活用例 |
|---|---|---|---|---|
| クラス1 | RPA (Robotic Process Automation) |
定型業務 | なし(ルール通りに実行) | データ入力、システム間の転記、帳票作成 |
| クラス2 | EPA (Enhanced Process Automation) |
一部の非定型業務 | 文章・画像などの解析 | AI-OCRで読み取った請求書の登録 |
| クラス3 | CA (Cognitive Automation) |
分析・改善・意思決定 | 学習にもとづく自律的な判断 | 処理方法の改善、次の対応の選択 |
RPAとAIは、いずれも業務の自動化に利用されるため、同じような技術として捉えられることがあります。しかし、RPAとAIでは、業務における役割が異なります。
RPAの主な役割は、あらかじめ決められた手順に従って作業を「実行」することです。人に例えると、指示を受けて正確に作業する「手」の役割にあたります。データ入力や情報の転記、ファイルの保存など、ルールが明確な業務を繰り返し処理することを得意としています。
一方、AIは、データを学習・分析し、その結果から分類や予測、判断を行う技術です。人に例えると、情報をもとに考える「脳」の役割を担います。RPAは設定されたルール通りに動くだけで自ら学習することはありませんが、AIはデータから学習し、使うほど精度を高めていける点が大きな違いです。
| 項目 | RPA | AI |
|---|---|---|
| 役割 | 決められた作業を実行する(手) | 学習・分析して判断する(脳) |
| 得意なこと | データ入力、転記、ファイル保存などの定型作業 | 分類、予測、文字や画像の認識 |
| 動き方 | 人が設定したルール通りに動く | データから学習し、精度を高めていく |
| 想定外の状況への対応 | 基本的に対応できない | ある程度は対応できる |
RPA単体では、あらかじめ設定されていない状況に対応したり、入力された情報の意味を理解して判断したりすることは基本的にできません。しかし、AIと連携させることで、AIが情報を分析・判断し、その結果に基づいてRPAが処理を実行することが可能になります。
たとえば、問い合わせ対応では、AIが届いたメールの内容を読み取って「見積依頼」「不具合報告」「その他」などに分類し、RPAが分類結果に応じて担当部署へ転送したり、管理表に記録したりするという連携が考えられます。このように、AIが「判断」を担い、RPAが「実行」を担うことで、より幅広い業務を自動化できます。
こうしたRPAとAIを組み合わせた自動化が、先に紹介した「クラス2:EPA」にあたります。
RPAは、手順が明確で決まった周期で繰り返し行われる定型業務をはじめ、反復業務の自動化を特に得意としています。その対象には、請求書・注文書・納品書の発行、システム入力、経費精算、給与計算、報告書作成などが含まれます。明確なルールに基づく作業を高速かつ正確に処理できるため、従来はバックオフィス中心だった自動化領域が、今では営業の見込み顧客リスト作成や見積書作成、マーケティングの属性分析や効果検証などフロント業務にも広がっています。これにより、担当者はより重要なコア業務に集中でき、全体の業務効率と生産性向上を実現します。
RPAを実行するソフトウェアロボットは、一般にRPAツールと呼ばれています。RPAツールは、それをどこで稼働させるかによって、サーバ型、デスクトップ型、クラウド型の3つのタイプに分類することができます。
このタイプは、専用のサーバや仮想環境にロボットを設置して稼働させるものです。ロボットを一元的に管理できるため、大規模なデータ処理や全社的な自動化を進めたい場合に最適で、セキュリティ面や安定性にも優れています。その一方で、導入にあたってはサーバ環境の構築やシステム連携の設計が必要となり、コストや導入期間は相応に要します。大規模な組織で、安定性とガバナンスを重視して大がかりに業務自動化を推進したいというときに実力を発揮するタイプといえます。
こちらは、利用者のPCに直接インストールして使うものです。操作が直感的で分かりやすく、特別なITナレッジがなくても利用できることから、現場担当者が日々の定型作業をすぐに自動化できるという点が大きな魅力となります。小規模な導入に向いており、メールの送受信や帳票作成、システムへのデータ入力など身近なルーティン作業を効率化します。ただし、個別の端末ごとに導入するため、利用が広がると管理が煩雑になり、組織全体でガバナンスを効かせるのが難しくなります。現場主導で「とにかくやってみよう」とトライするときに有効な選択肢です。
一方、クラウド型RPAは、ベンダーが提供するクラウド環境上でロボットを稼働させるものです。つまりはSaaSで、自社でサーバを構築する必要がないため初期投資が小さく、スピーディに導入できます。インターネット環境があればどこからでも利用でき、リモートワークや拠点が分散している企業にとって利便性の高い仕組みです。また、利用規模の拡大や縮小にも柔軟に対応できるため、スタートアップや急成長中の企業にも適しています。反面、ネットワーク環境が必須であるため、通信の安定性やデータセキュリティには配慮が必要です。俊敏さと柔軟性を求める組織に適しています。
RPAの種類比較表
| タイプ | 特徴・メリット | デメリット | 向いている利用シーン |
|---|---|---|---|
| サーバ型 | 一元管理が可能。大規模処理や全社利用に適し、セキュリティ・安定性に優れる。 | 導入コストが高く、構築に時間がかかる。 | 適しているのは大規模組織。全社的にガバナンスを効かせ、自動化の中核システムとして導入したい場合に。 |
| デスク トップ型 |
利用者PCに直接導入。操作が直感的でスモールスタートが容易。日常業務の即効的な自動化が可能。 | 管理が煩雑になり、全社ガバナンスが難しい。 | 適しているのは小規模導入。部門単位での業務改善、現場主導の取り組みに。 |
| クラウド型 | 初期投資が小さく、拡張性・柔軟性に優れる。リモート対応が容易でスピーディに導入可能。 | ネットワークやデータセキュリティへの配慮が必要。 | 適しているのは成長中の企業。拠点が分散した組織、スピードを重視する場合に。 |
RPAツールの導入にはさまざまなメリットがあります。その中でも特に顕著なのが「業務効率・生産性向上」「品質向上・リスク低減」「人材活用・働き方改革」の3点です。以下、具体的にまとめてみました。
RPAツールの最大の特徴は、定型的で繰り返し発生する作業を高速かつ正確に実行できる点にあります。人間が数時間かけて行う業務をわずか数分で完了させることも可能であり、膨大なデータ入力や集計、システム間での転記作業などに特に効果を発揮します。また、ロボットは24時間365日稼働できるため、人的リソースの稼働時間に依存することなく業務を進められるのも大きな利点です。これにより、業務全体の処理能力が向上し、限られた人員でも多くの成果を生み出すことができます。結果として、組織の生産性を飛躍的に高めることが可能です。
RPAツールはプログラムであるため、人間なら犯しがちな入力ミスや転記の誤りを回避することができます。これによって、業務の正確性が大幅に向上します。また、プログラムされた手順に従って動作するため、処理内容にばらつきがなく、誰が実行しても同じ品質で結果を得られるので属人性から脱却できることも大きな特長です。さらに、作業の履歴をログとして残せるため、業務プロセスの可視化や監査対応にも役立ちます。たとえば、コンプライアンスが求められるような業務においても、手順の遵守や証跡の確保を容易にし、リスクを最小限に抑えることが可能です。こうした仕組みにより、組織全体の業務品質を一定の水準に保つことができ、信頼性の高い業務遂行体制を確立することができます。
RPAツールを導入することによって、人材の活用方法を根本から見直すことができます。従業員を単純で繰り返しの多い作業から解放し、創造性や判断力を必要とする付加価値の高い業務に集中させることができるからです。その結果、従業員のモチベーション向上やキャリア形成にもつながり、働きがいのある業務環境づくりを推進することができます。また、ロボットによる自動化は、長時間労働の削減や業務負荷の平準化にも効果をもたらします。これは従業員のワークライフバランスの改善に寄与します。人材不足が深刻な日本社会において、有限の人材にパフォーマンス高く働いてもらうための一助として、RPAツールは大きな役割を果たします。
RPAは、ツールを導入するだけで自動的に成果が得られるものではありません。導入目的が曖昧なまま対象業務を選んだり、運用体制を決めずに利用を始めたりすると、ロボットが十分に活用されず、期待した効果が得られない可能性があります。
RPAを社内に定着させ、継続的に効果を得るためには、目的と目標の設定、対象業務の選定、トライアル検証、本格導入と運用体制の整備という順番で進めることが重要です。ここでは、RPA導入の基本的な4つのステップを解説します。
最初に、RPAを導入する目的と、達成したい目標を明確にします。
「RPAを導入すること」自体を目的にするのではなく、現在の業務にどのような課題があり、それをどのように改善したいのかを整理することが重要です。たとえば、長時間労働の削減、入力ミスの防止、業務プロセスの可視化、属人化の解消などが導入目的として考えられます。
目的を設定したら、効果を測定するためのKPIも決めます。「月間の作業時間を○時間削減する」「残業時間を○%削減する」「入力ミスを○件以下にする」など、可能な限り定量的な目標を設定しましょう。
導入前の作業時間や処理件数、エラー件数などを記録しておくと、導入後の成果を比較しやすくなります。定量的な目標に加え、業務負担の軽減や担当者の満足度など、定性的な目標も設定すると、複数の観点から導入効果を評価できます。
次に、社内のどの業務へRPAを適用するかを決めます。
まずは実際に業務を担当している部門や担当者へヒアリングを行い、日常的に繰り返している作業や、多くの時間を費やしている作業を洗い出します。その中から、手順と判断基準が明確で、発生頻度や処理件数が多い業務を優先的に検討します。
RPAが特に得意とするのは、データ入力、システム間の転記、データの照合、Webサイトからの情報収集、定期的なレポート作成などの定型・反復業務です。
最初から複雑な業務や全社規模の業務を自動化しようとすると、設計や調整に時間がかかり、効果を確認しにくくなります。まずは、範囲が限定され、短期間で成果を確認できる業務からスモールスタートすることが重要です。
対象業務を選定したら、本格導入の前にトライアル検証を実施します。PoCとは「Proof of Concept」の略で、日本語では「概念実証」と呼ばれます。
一部の業務や部門でRPAを試験的に導入し、想定したとおりに動作するか、どの程度の業務時間を削減できるか、運用上の問題がないかなどを確認します。正常に処理できるケースだけでなく、入力データに不備がある場合や、利用するシステムでエラーが発生した場合の動作も検証しておくことが重要です。
トライアルでは、RPAツールの利用料や開発・保守にかかる工数と、削減できる作業時間を比較し、費用対効果も確認します。十分な効果が見込めない場合は、対象業務や処理手順を見直してから本格導入へ進みましょう。
トライアルで効果を確認できたら、本格導入へ進みます。RPAを継続的に活用するためには、運用体制と管理ルールが欠かせません。これらはこの段階で急に決めるのではなく、ステップ1から並行して検討しておくことをおすすめします。
現場ごとにロボットを作成し、個別に管理すると、同じようなロボットが重複して作られたり、担当者の異動後に処理内容が分からなくなったりする可能性があります。
そのため、RPAの導入・運用を統括する部門や責任者を決め、ロボットの開発、承認、実行、変更、廃止に関するルールを定めましょう。アクセス権限やID・パスワードの管理、処理履歴の保存、障害発生時の連絡先なども事前に整理しておく必要があります。
また、業務システムの画面や仕様が変更されると、それまで稼働していたロボットが停止することがあります。定期的に稼働状況を確認し、必要に応じてロボットを修正・改善できる体制を構築することが、安定した運用につながります。
導入後は、ステップ1で設定したKPIを定期的に測定し、効果を検証しましょう。成果が確認できた業務を起点に、対象業務や部門を段階的に広げていくことで、RPAの効果を社内全体へ広げられます。
| ステップ | やること | 主な確認ポイント |
|---|---|---|
| ステップ1 | 導入目的と目標(KPI)の設定 | 解決したい課題、定量・定性の目標、導入前の作業時間などの記録 |
| ステップ2 | 適用する業務の選定 | 手順と判断基準が明確か、頻度・件数が多いか、小さく始められるか |
| ステップ3 | トライアル検証(PoC) | 想定どおりに動くか、エラー時の動作、費用対効果 |
| ステップ4 | 本格導入と運用体制の整備 | 管理部門とルール、ID・権限の管理、KPIによる効果検証 |
その一方で、RPAツールの導入には注意すべき点もあります。これらを正しく認識しておかないと、「せっかくコストをかけて導入したのに使われない」という残念な結果に終わってしまいます。以下に主な注意点を挙げます。
RPAツールの導入にあたり最も重要なのは、自動化に適した業務を正しく見極めることです。ルールが明確で繰り返し性の高い作業については導入効果を得やすいですが、判断を伴う複雑な処理や実行頻度が低い業務を対象にすると、十分な効果が得られません。また、業務プロセスを整理していない状態でロボット化を進めると、その非効率さがそのまま維持されてしまいます。導入前に対象業務を精査し、しっかりと標準化と効率化を行ったうえで自動化することが、成否を分けるポイントといえるでしょう。
導入後の運用体制もきちんと想定しておく必要があります。現場ごとに自由にロボットを作成すると、管理が煩雑になり、ガバナンスが効かなくなる可能性があります。実行権限やシナリオの管理ルールを明確に定めるとともに、できれば運用を統括する部門を設けたいものです。また、ロボットの障害対応やバージョン管理、改善サイクルを継続的に実施する体制を整えておけば、安定した運用と全社的な導入効果を最大化できます。導入時には技術だけでなく、組織的なガバナンス設計を同時に進めることを推奨します。
RPAツールは業務システムへのログインやデータ操作を自動で行います。そのため、適切なセキュリティ対策が不可欠といえます。IDやパスワードの管理が不十分であれば、不正利用や情報漏えいのリスクにつながります。また、処理内容を記録するログの管理方法を定め、監査やコンプライアンスに対応できるようにしておくことも重要です。特に、個人情報や機密情報を扱う場合には、法令やガイドラインに沿った運用を徹底しなければなりません。便利さの裏に潜むリスクをきちんと把握し、セキュリティ対策を万全にした上で設計と運用を行うことこそが、安全な活用につながっていきます。
すでにさまざまな業界で、また数多く、RPAツールの活用による成果が出ています。ここではどの企業でも採り入れやすい典型的な活用ケースをいくつかご紹介します。
注文情報や顧客データなどを基幹システムやExcelに入力する作業は、単純でありながら膨大な時間と労力を要する業務です。人が手作業で行えば入力ミスや確認漏れのリスクが常につきまとうとともに、処理速度にも限界があります。RPAツールを導入すれば、事前に定めたルールに従ってロボットが自動的に入力を行うため、正確性を維持したままスピーディに処理を進めることができます。RPAツールを利用することによって、担当者は退屈な繰り返し作業から解放され、より高度な分析や顧客対応といった付加価値の高い業務により時間を割くことができます。全体として大きな業務効率向上が享受できます。
たとえば、自社が送った請求書の内容と、銀行への入金データを照合する作業は、細心の注意を払わなければならず、担当者にとって大きな精神的負担となる業務の一つです。人が行う場合、時間がかかるうえにヒューマンエラーも発生しやすく、誤差や見落としが後々のトラブルにつながる恐れもあります。RPAツールを活用すれば、請求金額や日付などの条件に基づいて自動的に突合が行え、不一致があれば即座に抽出することができます。これにより、確認精度が向上し、照合作業にかかる時間も大幅に短縮できます。担当者は結果をチェックするだけで済むため、安心して正しい会計処理を進めることができます。
販売管理システムから会計システムへデータを転記するような業務は、多くの企業で発生している典型的な作業です。人手で行うとそれだけ工数が増大するというだけでなく、転記ミスが避けられず、おのずと処理の正確性やスピードにも限界があります。RPAツールを導入すると、販売管理システムから必要なデータを自動で抽出し、会計システムへそのまま転記するといったことが容易に実現できます。設定されたルールに従って処理を進められるため、転記の精度は安定し、担当者によるチェック作業の負担も大幅に軽減できます。こうした業務は日常業務であるため、導入効果も実感しやすくなります。
為替情報や取引先の公告データなど、外部のWebサイトから最新情報を収集するといった業務は日常的に行われている作業の一つです。しかし、人がブラウザ操作を繰り返すと時間がかかり、更新頻度が高い情報となると、対応が追いつかなくなります。RPAツールを利用すれば、Webサイトを自動巡回して必要なデータを抽出し、指定のフォーマットで保存することが可能です。取得したデータはそのまま社内システムや分析ツールに取りこめるため、タイムリーで正確な情報活用が実現できます。また、人手を介さないことで、情報収集の精度とスピードを大きく上げることができます。
売り上げや在庫データを集計し、定期的にレポートを作成するといった作業は、多くの企業で欠かせない業務です。しかし、複数のシステムからデータを抽出して加工し、グラフや表に整える作業は時間と労力を要し、担当者にとって負担が大きいものです。RPAツールであれば、システムから必要なデータを自動で取り込み、あらかじめ設定されたフォーマットに基づいて集計や資料作成を行うことができます。さらに、完成したレポートを自動的にメール送信するといったことも可能です。これにより、作成作業はほぼ自動化され、担当者は分析や提案といった本来の付加価値業務に専念することができます。
ここまで、RPAツールについて見てきました。このツールは単に業務効率化の手段というだけではなく、組織の働き方や人材活用のあり方を変える可能性を秘めています。導入時の注意点をしっかり踏まえて適切な業務で活用することで、日々の作業はより正確でスピーディになり、人は創造的な業務に時間を割けるようになります。小さな一歩から始めて確実な成果が期待できる点も大きな魅力といえるでしょう。今こそ貴社の未来のために、RPAツール導入を検討してみてはいかがでしょうか。