データ活用・データ連携のお役立ちコラム

APIとは?API連携の仕組みや導入方法、事例を紹介

最終更新日:2026/07/09 APIとは?API連携の仕組みや導入方法、事例を紹介

クラウドサービスやSaaSの普及が進む中、企業には複数のシステムやサービスを連携させながら業務を効率化することが求められるようになりました。その実現を支える技術として注目されているのが「API連携」です。しかし、言葉は知っていても、その仕組みやメリット、導入時の注意点までは理解していない、という方もおられるのではないでしょうか。本記事では、API連携の基本から活用事例、導入手順、セキュリティ対策までをわかりやすく解説します。

INDEX

  1. API連携とは?意味や役割をわかりやすく解説
  2. リクエストとレスポンスで動く!API連携の仕組み
  3. API連携によって実現できる主な機能と活用シーン
  4. API連携の導入・開発に必要となる基礎知識
  5. 企業がAPI連携を導入する4つのメリット
  6. API連携のデメリットと課題
  7. API連携を実装するための具体的な手順・ステップ
  8. API連携の具体的な活用事例
  9. API連携を安全に運用するための注意点とセキュリティ対策
  10. まとめ
  11. API連携をはじめ、データ連携なら「ACMS Cloud」がおすすめ

API連携とは?意味や役割をわかりやすく解説

API連携とは、API(Application Programming Interface)を利用して異なるソフトウェアやシステム同士を接続し、データや機能を相互にやり取りできるようにする仕組みです。個別に構築されたシステムをつなぐ“架け橋”として機能し、情報共有や業務プロセスの自動化を実現します。近年ではクラウドサービスの普及に伴い、業務効率化や新たなサービス創出を支える重要な技術として活用が広がっています。

現在主流となっている「Web API」の特徴

現在、API連携の多くで利用されているのが「Web API」です。Web APIとは、HTTPやHTTPSといったインターネットの標準的な通信プロトコルを利用して、システム間でデータや機能をやり取りする仕組みです。専用回線や独自の接続方式を必要とせず、インターネット経由で柔軟に利用できることが大きな特徴です。そのため、クラウドサービスやWebアプリケーション、モバイルアプリとの連携が容易で、企業の業務システムから一般消費者向けサービスまで幅広く活用されています。現在利用されているAPIの多くはWeb APIに分類されるもので、デジタルサービスを支える基盤技術として重要な役割を担っています。

Web APIとは?【初心者向け】基礎知識を徹底解説

混同しやすい「データ連携(ETL等)」との違い

API連携と混同されやすい技術に、ETLやファイル転送などを用いたデータ連携があります。API連携は、システム同士が必要なタイミングで機能やデータをリアルタイムに呼び出す仕組みであり、在庫照会や決済処理、顧客情報の参照など即時性が求められる場面に適しています。一方、ETLやファイル転送などを用いたデータ連携は、大量のデータを収集・変換・統合することを主な目的としています。多くは基幹システムやデータ分析基盤へのデータ集約などの際に利用されています。両者は競合する技術ではなく、連携の目的やデータ量、処理タイミングに応じて使い分けられています。

データ連携とは何か?メリット・デメリットや基盤構築方法を徹底解説

リクエストとレスポンスで動く!API連携の仕組み

API連携は、「リクエスト(要求)」と「レスポンス(応答)」のやり取りによって動作します。たとえば、レストランで料理を注文する場面をイメージすると分かりやすいでしょう。客がメニューを指定して注文する行為がリクエスト、厨房が注文内容に応じて料理を提供する行為がレスポンスです。同様に、API連携においても、利用側のシステムが必要な情報や処理を要求し、提供側のシステムがその結果を返します。この仕組みによって、異なるシステム同士が自動的かつ効率的にデータや機能を連携可能になります。

API連携によって実現できる主な機能と活用シーン

API連携を活用することで、さまざまなシステムやサービスをシームレスにつなぐことができます。たとえば、一度の認証で複数のサービスを利用できるシングルサインオン(SSO)の実現や、受発注情報・在庫情報・顧客情報のリアルタイム同期がそれに当たります。また、外部のデータベースやクラウドサービスから必要な情報を自動取得したり、業務処理を自動化したりといったことも可能です。これにより、手作業による入力や情報共有の負担を軽減し、業務効率化やサービス品質の向上が実現できます。

API連携の導入・開発に必要となる基礎知識

API連携を導入・開発する際には、いくつか理解しておくべき基礎知識があります。まず重要なのが、利用方法や通信ルールが記載されたAPI仕様書(APIリファレンス)の読み方です。また、不正利用を防ぐための認証方式として、APIキーやOAuthなどの仕組みについても把握しておくとよいでしょう。さらに、システム間でやり取りするデータはJSONやXMLといった形式で記述されることが多いため、それぞれの特徴や構造を習得すれば、API連携の設計や運用を円滑に進めやすくなります。

企業がAPI連携を導入する4つのメリット

API連携を活用することで、企業は業務効率化やデータ活用の高度化を実現できます。また、サービスの利便性向上や新たな価値創出にもつながります。ここでは、企業がAPI連携を導入することで得られる代表的な4つのメリットを紹介します。

1. 既存システムを活用することによる「開発コスト・期間の削減」

API連携を活用すれば、既存システムや外部サービスが持つ機能を利用できるため、必要な機能をゼロから開発する必要がありません。たとえば、決済機能や地図機能、認証機能、配送状況照会機能などをAPI経由で利用することで、開発工数を大幅に削減できます。また、既存システムを活かしながら新たなサービスや業務プロセスを構築できるため、大規模なシステム刷新に比べて導入コストを抑えやすくなります。その結果、開発期間の短縮や迅速なサービス展開を実現し、市場環境の変化にも柔軟に対応できます。

2. 入力作業の自動化による「業務効率化」

API連携によってシステム間でデータを自動的に受け渡せるようになるため、担当者による手入力や転記作業を大幅に削減できます。たとえば、受発注システムと販売管理システム、会計システムを連携させることで、注文情報や売上データを自動的に反映できます。入力ミスや確認作業の負担を軽減できるだけでなく、データの二重管理も防ぎやすくなります。その結果、業務全体の処理速度や正確性が向上し、従業員は分析や顧客対応など、より付加価値の高い業務へ時間を振り向けやすくなります。

3. 顧客に新しい価値を提供する「ユーザー体験(UX)の向上」

API連携は、複数のサービスやシステムを組み合わせた利便性の高いサービス提供を可能にします。例えば、ECサイトで配送状況をリアルタイムに表示したり、外部決済サービスと連携してスムーズな購入体験を実現したりすることができます。また、顧客情報や利用履歴を活用したパーソナライズサービスの提供にも役立ちます。利用者は複数のシステムを意識することなく必要なサービスを利用できるため、操作性や利便性が向上します。

4. 最新かつ正確なデータを維持できる「リアルタイム性の確保」

システム間でデータをリアルタイムにやり取りできるため、常に最新の情報を共有できます。たとえば、在庫情報や顧客情報、売上データなどを複数システムで即時に反映できるため、情報の食い違いや更新漏れを防げます。また、担当者が手動でデータを更新する必要がないため、入力ミスの削減にもつながります。最新データをもとに迅速な意思決定や顧客対応を行えるほか、在庫切れや受注ミスなどのトラブル防止にも役立ち、業務品質や顧客満足度の向上が期待できます。

API連携のデメリットと課題

API連携は多くのメリットをもたらす一方で、導入や運用にあたってはいくつかの課題も存在します。期待した効果を得るためには、あらかじめデメリットや注意点を理解しておくことが重要です。

1. 連携先のシステム障害や仕様変更(アップデート)に自社システムも影響を受けるリスク

この仕組みは、外部システムやクラウドサービスと密接に接続して動作するため、連携先で障害やメンテナンスが発生した場合、その影響を自社システムも被ります。たとえば、APIが一時的に利用できなくなると、データ取得や業務処理が停止することがあります。また、APIの仕様変更やバージョンアップが実施された際には、たいていの場合、連携プログラムの改修が必要になります。そのため、連携先の変更情報を継続的に確認するとともに、障害発生時の代替手段や影響範囲を事前に検討しておくことが重要です。

2. 開発や保守運用に一定の専門知識を持つエンジニアが必要になる点

API連携の実現には、API仕様書の理解や認証設定、データ形式の変換、通信エラーへの対応などに関する知識が不可欠です。また、導入時だけでなく、運用開始後も連携状況の監視や障害対応、セキュリティ管理、仕様変更への対応を継続的に行わなければなりません。特に複数のシステムやクラウドサービスを連携する場合は構成が複雑になりやすく、トラブル発生時の原因調査にも専門的な知識が求められます。そのため、十分なスキルを持つエンジニアの確保や育成が大きなポイントになります。

ACMS Cloud
API連携をはじめ、データ連携なら「ACMS Cloud」がおすすめ
資料ダウンロード
3分で確認!
ACMS Cloudの概要と活用イメージがわかる資料をダウンロード

API連携を実装するための具体的な手順・ステップ

API連携を成功させるためには、事前準備から運用開始までの流れを順序立てて進めることが肝心です。ここでは、API連携を実装する際の基本的な手順とポイントを解説します。

1. 連携の目的と必要なAPIの選定

まず何のために連携を行うのかという目的を明確にします。たとえば、業務効率化なのか、顧客向けサービスの機能強化をめざすのかによって、選ぶべきAPIは異なります。このプロセスをおざなりにした導入を進めると、必要以上のコストや工数が発生したり、期待した効果が得られないリスクが生じます。そのため、解決したい課題や取得したいデータ、実現したい業務フローを整理したうえで、要件に適したAPIやサービスを選定してください。

2. 連携先APIの仕様書と利用規約の確認

利用するAPIが決まったら、提供元が公開している仕様書や利用規約を詳細に確認します。仕様書には利用可能な機能や通信方式、送受信するデータ形式、認証方法、エラーコードなどが記載されています。また、利用回数の上限や商用利用の可否、データ利用に関する制約なども事前に把握しておきましょう。これらを怠った場合、後から仕様変更や利用制限による問題が発生するリスクがあります。

3. APIキー・アクセストークンの取得

多くのAPIでは、不正利用を防ぐために認証機能が設けられています。そのため、利用開始前にAPIキーやアクセストークンを取得しておかなければなりません。取得方法はサービスによって異なりますが、開発者向けサイトへの登録や利用申請が必要となるケースが一般的です。また、認証情報はAPI利用者を識別する重要な情報であるため、漏えいすると第三者による不正利用につながります。安全な保管方法やアクセス管理の仕組みを整備したうえで運用するようにしましょう。

4. プログラムの実装とテスト環境での動作確認

準備が整ったら、実際にプログラムへの組みこみを行います。仕様書に従ってリクエストやレスポンスの処理を実装し、必要なデータの取得や登録、更新などが正しく行えるよう設定します。その後、本番環境へ反映する前にテスト環境で十分な動作確認を実施し、想定どおりに連携できるかを検証します。この際、正常時だけでなく、通信エラーやデータ不整合が発生した場合の挙動についても把握するようにしましょう。これにより、運用開始後のトラブルを未然に防ぎやすくなります。

5. 本番環境へのリリース

テスト環境で十分な検証を行ったら、本番環境へリリースします。リリース時には、既存システムや利用者への影響を考慮しながら慎重に作業を進めることが重要です。また、本番環境ではテスト時には発生しなかった問題が起こることもあります。そのため、稼働状況を継続的に監視できる体制を整えておかなければなりません。さらに、運用開始後もAPIの仕様変更やセキュリティ更新への対応、性能改善などに備えた体制を確立しておくことで、安定したAPI連携を長期的に維持できるようになります。

API連携の具体的な活用事例

API連携は、すでに多くの企業やWebサービスで活用されています。私たちが日常的に利用しているサービスの中にもAPI連携によって実現されている機能は数多く存在します。ここでは、代表的な活用事例を紹介します。

事例①:SaaSツール間の自動連携(CRMと会計ソフトなど)

API連携の代表的な活用例として、複数のSaaSツールを自動連携するケースがあります。たとえば、CRM(顧客管理システム)に登録された顧客情報や商談情報を会計ソフトや販売管理システムへ自動反映することで、担当者による転記作業を削減できます。また、データの二重入力や入力ミスを防ぎやすくなり、業務全体の効率化にもつながります。近年は企業が複数のクラウドサービスを利用することが一般的となっており、サービス間を円滑につなぐ手段としてAPI連携が用いられています。

事例②:SNSログインやオンライン決済機能の組み込み

WebサービスやECサイトでは、SNSログインやオンライン決済機能の実現にもAPI連携が活用されています。例えば、GoogleやFacebookなどのアカウントを利用してログインできる機能は、認証APIとの連携によって実現されています。また、クレジットカード決済や電子決済サービスとの連携もAPIを利用することで構築できます。自社で認証機能や決済システムを一から開発する必要がないため、開発負担を軽減できるだけでなく、利用者にとっても利便性の高いサービスを提供できます。

事例③:外部データの取得・表示(Googleマップや天気情報)

API連携を利用すると、外部サービスが提供するデータを自社のWebサイトやアプリケーション上で活用できます。たとえば、Googleマップの地図情報を表示したり、気象サービスから取得した天気予報を掲載したりすることが可能です。また、交通情報や為替レート、株価情報などをリアルタイムで取得し、サービスに反映するケースもあります。開発コストを抑えながら付加価値の高いサービスを実現できる点が大きなメリットです。

API連携を安全に運用するための注意点とセキュリティ対策

API連携は利便性が高い一方で、外部システムとデータをやり取りするため、情報漏えいや不正アクセスのリスクにも注意しなければなりません。安全に運用するためには、SSL/TLSによる通信の暗号化を行い、データの盗聴や改ざんを防ぐことが何より重要です。また、APIキーやアクセストークンの適切な管理、アクセス権限の最小化を行うとともに、多要素認証の活用などによって認証を強化する必要もあります。さらに、連携先システムのセキュリティ対策や運用体制も事前に確認し、信頼できるサービスのみを利用するようにしましょう。加えて、定期的な監視やログ確認で、異常の早期発見を心がけましょう。

まとめ

API連携は、異なるシステムやサービスを接続し、データや機能を効率的に連携させるための重要な技術です。業務の自動化やリアルタイムな情報共有、ユーザー体験の向上など多くのメリットをもたらしますが、障害や仕様変更への対応、セキュリティ対策といった課題にも配慮する必要があります。導入目的を明確にし、適切な手順と運用体制のもとで活用することで、API連携は企業のDX推進や業務効率化、新たなサービス価値の創出を支える強力な基盤となります。

API連携をはじめ、データ連携なら「ACMS Cloud」がおすすめ

API連携は、リアルタイムな情報共有やDX推進を支える重要な技術です。しかし、企業のデータ連携では、APIだけでなく、既存のファイル連携や取引先とのEDIも含めて考える必要があります。
「ACMS Cloud」は、Web API連携からEDIまでを支えるクラウド型データ連携プラットフォームです。
連携方式の違いによる運用負荷を軽減し、既存の資産を活かしながら、データ連携基盤の近代化を支援します。
現在、ACMS Cloudの機能や活用イメージをまとめた資料を公開中です。
ぜひダウンロードしてご活用ください。

ACMS Cloud
API連携をはじめ、データ連携なら「ACMS Cloud」がおすすめ
資料ダウンロード
3分で確認!
ACMS Cloudの概要と活用イメージがわかる資料をダウンロード

この記事の執筆者

DAL データ連携EDIETL

データ・アプリケーション
データ活用研究チーム

データ活用・データ連携のお役立ちコラム

経歴・実績
株式会社データ・アプリケーションは、日本を代表するEDIソフトウェアメーカーです。設立は1982年、以来EDIのリーディングカンパニーとして、企業間の取引を円滑に効率化するソリューションを提供しています。1991年からは日本の標準EDIの開発やSCM普及にも携わっており、日本のEDI/SCM発展に寄与してきました。
現在は、EDI/SCM分野のみならず、企業が所有しているデータの活用についてもビジネススコープを広げています。ハブとなるデータ基盤提供を始めとして、さまざまな角度から幅広く研究・分析を行っており、その提言を通じて日本企業のDX推進を後押ししています。


一覧に戻る