Investor Relations投資家の皆様へ

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「企業のデジタルトランスフォーメーションを
強力にサポートしてまいります」

株式会社データ・アプリケーション 代表取締役社長執行役員 安原 武志

株式会社データ・アプリケーション
代表取締役社長執行役員
安原 武志

まずは、当期の事業環境と経営成績についてお聞かせください。
期初より減益を見込んでおりましたが、減益幅は見込みを上回るものとなりました。
 当期の経済環境につきましては、米中貿易摩擦の長期化を受けて中国経済が減速し、また、米国においても景気減速に対する予防的な利下げが10年7ヶ月ぶりに行われるなど、不透明な状況にありましたが、今年に入り、新型コロナウイルス感染症の拡大を受けて、各国が経済活動の停止を判断するなど、景気の先行きに対する不透明感はますます拡大している状況です。また、当社が属する情報サービス産業においては、産業総売上高、ビジネス向けソフトウェア売上高ともに、動きは鈍化しているものの、前年度に対して増加しております。
 このような環境のもと、当期の連結経営成績は、売上高が2,148百万円と前年同期比7.2%の減収となり、前期まで5期連続で最高益を更新していた各利益項目につきましても、営業利益が365百万円(前年同期比45.0%の減益)、経常利益が370百万円(前年同期比44.3%の減益)、親会社株主に帰属する当期純利益が267百万円(前年同期比47.2%の減益)といずれも減益となりました。各金額につきましては、今年2月7日に公表させていただきました当期の業績見込み変更金額より、売上高が82百万円、営業利益が9百万円、経常利益が7百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が7百万円下回るものとなっております。
 尚、株主様への配当につきましては、期初予想通り、前期実績から1株当たり5円の増配となります43円の配当を、期末の株主様に実施させていただく所存です。
売上高と利益について、それぞれの減少要因をご説明ください。
減収は特殊要因が影響したもので、減益要因には体制強化に向けた費用の増加が含まれております。
 売上高が金額ベースで前年同期比166百万円減少した減収の要因ですが、予定通りEAI統合製品の販売を終了したことの影響が149百万円ありましたが、その他にもスポットな要因が幾つか生じました。まず、そのひとつは、昨年、消費税率の引き上げが行われたことから、企業にとって税率変更に伴うシステム投資が喫緊のものとなり、その他のソフトウェアに対する投資が延期されたことです。また、Windows7のサポート終了に備えるため、PCのリプレース・ニーズが高まり、この投資が優先されたことも加わって、当社における大型案件の受注予定が第4四半期に後ずれをいたしました。しかし、第4四半期に新型コロナウイルス感染症が拡大したことから、テレワークや在宅勤務等を支えるITシステムの投資が優先されたことを受けて、現在、これらの案件は翌期に再延長された状態となっております。
 利益面の減益要因ですが、まずご理解いただきたいのが、粗利益率であります売上高総利益率につきましては、前期が80.4%であったのに対して、当期も79.2%と極めて高い利益率を確保しているということです。そのため、利益の減少は売上高の減少によるところが大きかったのですが、当期につきましては、組織体制の強化に向けた人員、人件費、研究開発費の拡大、そして、事務所の移転・拡大に伴う費用の発生により、販売費及び一般管理費が当期は前期に比べて139百万円増加し、また、事務所移転費用として16百万円を特別損失として計上したことも減益要因として存在しております。
 尚、今期2020年度の業績予想につきましては、新型コロナウイルス感染拡大により、現在は世界的に外出や移動の制限が行われており、今後の消費動向、経済活動の再開状況等が不透明なため、合理的な業績予想の算定が困難なため、現時点での予想を公表しておりませんが、業績予想の開示が可能となった時点で速やかに公表させていただきます。
当期の取り組みで伸長したことを教えてください。
ストック型収益比率の上昇が大きな手ごたえです。
 現在、昨年3月に公表いたしました中期経営計画のもと、掲げた基本方針に則り、事業を展開しておりますが、ソフトウェアの市場におきましては、現在、従来の「所有」から、サブスクリプション型の「利用」へと顧客のニーズが変化してきており、当社もそれに合致したサービスの提供体制を整えつつあります。そのため、当社の収益構造におきましても、売り切りによって一時的に大きな収益を挙げるのではなく、ストック型の収益比率を高める収益体質の構造変化に取り組んでおり、そのため、当期より決算短信等における報告事業セグメントも、従来の「メンテナンス」から、メンテナンスにサブスクリプション・モデルを含んだ「リカーリング」に変更しております。
 このリカーリング・セグメントが売上高全体に占める比率ですが、前期は58.1%でしたが、当期は65.7%に上昇しております。このことは、ストック型ビジネスモデルへの移行が着実に進んでいることを表わしております。この指標につきましては、私自身、非常に意識しているKPI(重要な経営指標)であります。今後も、既存市場の深耕、新市場の創出/進出というテーマと併せて経営の大きな課題と認識していきたいと考えております。
新社長としての抱負、意気込みをお話しください。
「変化を楽しむ」という気持ちを共有して前進します。
 当社は、本社を移転するとともに拡大し、新たなスタートを切りました。それに伴い、それまでも対応を整えていたテレワーク(リモートワーク)につきまして、さらに磐石な体制を整えたことにより、今般の新型コロナウイルス感染症の拡大による緊急事態宣言下におきましても、社員一同、テレワークによって通常と遜色のない業務体制を敷くことが出来ております。株主の皆様にはまずこのことをご安心いただければと思います。
 この極めて不透明感の強い時期に新たに当社の舵取りを行うこととなりましたが、これまで当社が培ってきた強みというリソースを最大限に活かし、新市場の創出、その市場における確固たる地位の構築にまい進してまいります。私が考える当社の一番の強みとは、EDIという市場において、最後発社ながら圧倒的なマーケットリーダーに躍進する源泉となった極めて高い技術力と、業界では稀有な24時間サポート体制によるメンテナンスを実現した実績であり、また、このことを正当に評価してくださった多くの優良なクライアントが存在するということです。一方で、上場以来、無借金経営を続けており、極めて磐石な財務体質を有しているということも大きな強みです。
 4月1日の入社式において、私は「変化を楽しもう」と言いましたが、これは新入社員だけでなく全社員に向けたものです。「2025年の崖」という言葉がありますが、日本が経済成長の軌道を維持し、そしてそれを高めるためには、この崖を乗り越えていかなくてはなりません。そのためには、各企業が進化したデジタル技術、テクノロジーを駆使して、より生産性の高い仕事を実現し、生活を豊かなものとするデジタルトランスフォーメーション(DX)という改革が重要な鍵となります。このことは、大きな「波」であり、「変化」です。当社は、EDIメーカーからの脱皮を果たし、データ・インテグレーション市場の雄(ゆう)となることによって、企業のデジタルトランスフォーメーション(DX)を成功に導くという社会的に大きな使命を担っています。
 現在、さらに競争優位性の高い製品、技術の開発に向けて、優秀な人材の更なる確保、研究開発の伸長に努めておりますが、新たな本社はそれらに十分応える快適な環境となっております。日本経済新聞社の報道によりますと、売上高100億円以下の「NEXT1000」(社)において、当社の売上高に占める研究開発費の比率(過去3年間の平均)は第2位とのことです。自社の研究開発、そして、当期もいくつか発表させていただいたアライアンスを通じて、データ・インテグレーション市場の雄(ゆう)となるべく歩みを進めてまいります。
 株主の皆様におかれましては、当社の現在の取り組みをご理解いただきましたうえで、今後とも更なるご支援を賜り、その成長を見守っていただきますようお願い申し上げます。