Investor Relations投資家の皆様へ

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「組織強化の取り組みを緩めず、今後の成長につなげます」

株式会社データ・アプリケーション 代表取締役社長執行役員 安原 武志

株式会社データ・アプリケーション
代表取締役社長執行役員
安原 武志

まずは、当期の事業環境と経営成績についてお聞かせください。
前期比で減収・減益となりましたが上方修正した予想を上回る着地となりました。
 当期の事業環境につきましては、新型コロナウイルス感染症拡大が、世界的に企業活動を含む社会経済活動に大きな影響、制限を与えることとなり、日本においても、マクロ経済指標の個人消費や輸出、企業収益の減少といった厳しい状況を招くこととなり、現在においても、引き続き先行きに不透明感が漂っております。
 このような環境のもと、当期の連結経営成績は、売上高が2,024百万円と前年同期比5.8%の減収となり、各利益項目につきましても、営業利益が206百万円(前年同期比43.4%の減益)、経常利益が218百万円(前年同期比40.9%の減益)、親会社株主に帰属する当期純利益が165百万円(前年同期比37.9%の減益)となりました。
 当期につきましては、昨年4月に緊急事態宣言が発令されたことにより事業活動を巡る不透明感が強かったため、連結業績予想を発表したのが第1四半期の決算短信発表時となりましたが、その後、今年1月19日に売上高、各利益の業績予想について上方修正を行いましたが、着地の連結経営成績は、その上方修正数値を、売上高が24百万円、営業利益が46百万円、経常利益が48百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が48百万円、さらに上回るものとなっております。
 これにより、配当につきましては、今年1月19日の予想通り、前期実績と同額となります1株当たり43円の配当を、期末の株主様に実施させていただく所存です。尚、この配当による配当性向は78.2%、株主資本配当率(DOE)は3.6%となります。
減収・減益要因についてご説明ください。
メンテナンスの会計方針の変更を考慮すると実質的には増収・増益となっております。
 大きな要因としては、コロナ禍の影響と会計方針の一部変更という2つが挙げられます。
 まず、コロナ禍の影響ですが、昨年4月に緊急事態宣言が発令されたことにより、パートナー企業も含めて営業活動に大きな制限が加わるとともに、顧客企業においても、景気の不透明感から一部の案件の延期や凍結が発生し、第1四半期の売上高は前年同四半期に比べて94百万円(18.4%)減収となる418百万円にとどまりました。その後、第2四半期につきましては前年同四半期比で8.2%の増収に転じるなど落ち着きを取り戻しました。
 また、会計方針の一部変更ですが、リカーリングに含まれるメンテナンスの売上について、「収益認識に関する会計基準」を早期適用したことにより、それまで契約開始時に一括計上していたものを契約期間中に均等按分して計上する方針に変更いたしました。この影響による売上高の減少については期初より180百万円程度を見込んでおりましたが、結果的に177百万円と、ほぼ見込みに近い金額の減少となりました。尚、この金額は、営業利益、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益の各利益段階においても同額の減益要因となりますので、この影響を戻し入れますと、当期の売上高、各利益につきましては前期を若干上回るものとなります。また、この減収・減益要因は当期のみの一過性のものであり、2022年3月期以降の業績には負の影響を与えません。
ストック型ビジネスモデルへの転換状況を教えてください。
実質的にリカーリング売上比率は上昇しましたが、さらにこれを進めます。
 当社は前期より、メンテナンスと、ソフトウェアのサブスクリプション・モデルによる売上を合わせた、「リカーリング」という売上区分を定義し、ストック型ビジネスモデルへの移行を明確な企業の意志として示しておりますが、このリカーリングが総売上に占める比率は、前々期が58.1%、前期が65.7%、そして当期につきましても65.2%と、前期並みの数値となりました。先ほどお話ししたように、リカーリング売上に含まれるメンテナンス売上が会計方針変更により減少したことを考慮いたしますと、実質的には前期よりも確実にその数字が上昇していることがご理解いただけると思います。
 当期におきましても従来の売り切り型サーバー系ソフトウェアを397本出荷し、累計出荷実績は12,925本に伸ばしておりますが、サブスクリプション契約でのサービスとしての提供が主体となりつつあり、このパッケージでの売り切り出荷数の伸びは徐々に低下することが予想されます。また、今後、自社サービスとして当社ソフトウェアを利用される事業者につきましては、サブスクリプション契約のみでのサービス提供とさせていただく方向となっておりますので、たとえこの影響で短期的に売上が減少したとしましても、それは中長期にわたる安定的な収益を確保するための企業体質づくりの過程であることをご理解いただきたく存じます。
新たに発表された中期経営計画を踏まえたビジョンをお話しください。
「変革への挑戦」を掲げ、企業のDX化を強力にサポートいたします。
 中期経営計画につきましては、2019年3月20日に開示を行いましたが、昨年、新型コロナウイルス感染症の拡大により、計画の前提となる事業環境に不透明さが増加したことを踏まえ、2020年6月22日に、これを一旦取り下げることをお知らせしましたが、今般、当期の決算短信の発表と同じタイミングで、2024年3月期を最終年度とする新たな中期経営計画を開示いたしました。『変革への挑戦』と名付けたその内容は、前中期経営計画で示した基本的な方向性を継承しつつ、現状に鑑みた経営計画となっております。
 当社が、後発組ながらもEDI市場におけるトップ、マーケットリーダーとなったその礎(いしずえ)には、無論、その顧客のニーズに対応できる高い技術力、メンテナンスまでも含めた一気通貫でのサービス対応がありました。この領域におけるマーケットリーダーの地位はこれからも維持しつつ、このEDI市場も含むさらに大きな市場規模であるデータ・インテグレーション(ソフトウェア)の領域においてリーダーとなることを目指し、企業のDX(デジタルトランスフォーメーション)化に大きな貢献を果たしたいと考えております。
 今後、あらゆる産業において新たなビジネスモデルが求められ、企業のDX化が加速するものと考えられます。当社においては、現在、戦略製品として位置付けているエンタープライズ・データ連携基盤『ACMS Apex』の販売が好調を辿っておりますが、同じく戦略製品であるデータ ハンドリング プラットフォームである『RACCOON』をオプションとして組み合わせるなどにより、さらに顧客ごとのニーズに対応した満足度の高いサービスの提供を進めてまいります。
 また、これまでの事業提携を活かし、クラウド、AIといった領域におけるサービスの差別化を図るとともに、新たな市場の開拓を積極的に行ってまいりますがこのアライアンス戦略である他社との連携事案であるOCRtranについては既に多くの引き合いが来ている状態となっております。
 顧客のDX化に際し、選ばれるサービスであるために、継続的な製品機能の機能強化(エンハンス)、提供サービスの拡充、そしてそれらを支える研究開発、技術探求が不可欠なことは言うまでもなく、ここ数年間積極的に取り組んできた高度な技術力を備えた優秀な人材の採用・育成、そして組織体制の強化に向けた投資の手綱を、今ここで緩めるわけにはいきません。現在のこの組織体制強化の取り組みが、数年後には、EDIを基点とした新たな分野における幅広い顧客層のDX化のサポートに結びつき、当社の業績拡大、より筋肉質な企業体質に結びつくことを確信しております。株主の皆様におかれましては、今後に大きな花を咲かせるための現在の取り組みにご理解とご支援を賜り、その成長を見守っていただきますようお願い申し上げます。