Investor Relations投資家の皆様へ

投資家の皆様へ

『既存市場の深堀り』と『事業領域の拡大』により、事業ステージの拡大を目指します

まずは、当期の事業環境と経営成績についてお聞かせください。

代表取締役社長執行役員 武田 好修
代表取締役社長執行役員
武田 好修

減収・減益を見込んでいましたが、結果的に期初計画を大きく上回る増益での着地となりました。

当期の経済環境は、海外においては、米国を中心に緩やかな景気回復が持続したものの、米国新政権による通商関税問題の提起や依然として収まらない地政学的リスクへの懸念、米国の長期金利の上昇など、今後の景気に対する不透明な材料も台頭しました。また、国内においては、個人消費の持ち直しや設備投資の増加、企業収益及び雇用環境の改善により、緩やかな回復基調で推移し、当情報サービス産業においても、産業総売上高、ビジネス向けソフトウェア売上高ともに前年度に対して増加しております。

当期の当社の経営目標は、前期の事業報告書でお示ししたように、「減収、減益を見込むものの、利益率を向上させ、より筋肉質な企業体質を目指す」というものでしたが、結果的に当期の連結経営成績につきましては、売上高は2,224百万円と、前年同期比で201百万円減少したものの、営業利益は622百万円(前年同期比0.5%増)、経常利益は627百万円(前年同期比0.6%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は474百万円(前年同期比8.7%増)と、いずれも4年連続で増益を確保し、また、過去最高益を更新しております。

尚、対期初計画では、売上高が4.3%の増収となり、利益項目につきましては、営業利益は23.8%、経常利益は24.7%、親会社株主に帰属する当期純利益は22.7%のそれぞれ大きな増益での着地となっております。

期初計画に比べて着地数値が上ぶれとなった要因を教えてください。

メンテナンス売上の伸長が、売上、利益それぞれに寄与しました。

期初計画時点で、売上については、前期比で294百万円の減収を見込んでおりました。これは、完全子会社でありました株式会社ホロンテクノロジーを吸収合併したことに伴い、今後の事業の拡大性、収益性を考慮した結果、同社の行っていたオープンソースサポートサービス事業を終了することを決断し、この減収見込みとして113百万円、そして、前期に発生したAny系製品大型受注(270百万円)の反動減からソフトウェア製品の売上につきましても235百万円の減収を見込んだためでしたが、結果的に、前期比で55百万円の増収を見込んでいたメンテナンスのセグメントが、前期比143百万円の大きな増収となったことから、全社対計画ベースで4.3%の増収となったものです。また、このメンテナンス事業につきましては利益率が高いことから、対計画ベースで大きな増益要因となりました。

ソフトウェア製品の売上は、ほぼ計画通りとなりましたが、戦略製品につきましては、『RACCOON』が前期比で大きく売上を伸ばしたものの、『ACMS Apex』は計画を下回りました。全体でのライセンス出荷数は、期末時点で前期末の9,892本から883本増加して10,775本と、5桁の大台に乗り、導入企業数も同じく99社増加して2,210社と順調に伸長しておりますが、現在、既存製品との互換性を高めることに注力している『ACMS Apex』の拡販という課題を認識した1年でもありました。

語られていた「利益率」の水準はどうなりましたか?

最終利益ベースの利益率が、初めて20%を超えました。

前期のこの事業報告書において、サービスその他のセグメントの売上減少に関わらず、最終的な利益である親会社株主に帰属する当期純利益に基づく利益率として過去最高の18.1%を見込んでいると申し上げましたが、結果的にこの数字が21.3%と、20%を超える水準にまで上昇いたしました。また、営業利益率は28.0%、経常利益率も28.2%と、それぞれ過去の最高値を大きく上回っております。これにより、筋肉質な収益体質に変わるための施策が奏功していることをご理解頂けると思います。

また一方で、経営の重要指標であります自己資本利益率(ROE)につきましては、前期の18.3%が当期は17.1%へと下落いたしましたが、これは、数値算出の分母にあたる(株主様の持分である)自己資本において、「剰余金」が前期末から408百万円増加したことが要因であり、分子の親会社株主に帰属する当期純利益が減少したものではありません。ROEにつきましては、これで4期連続15%以上の高い数字を維持しており、リーマン・ショックの影響が一巡した2010年3月期以降の9期の平均値も16.2%と極めて高いものとなっておりますが、今後も安定的に高い水準で推移させたいと考えております。

今期の業績見通しを教えてください。

各利益項目の過去最高更新の継続を見込んでおります。

まず、売上につきましては、前期比126百万円の増収となる2,350百万円を計画しております。これは前期比で5.7%の増収見込みとなります。サービスその他の事業につきましては、引き続き18百万円の減収を見込んでおりますが、ソフトウェア製品で107百万円の増収、メンテナンス事業につきましても37百万円の増収を見込んでおります。今期につきましては、『ACMS Apex』の拡販を含めたソフトウェア製品の売上増加を第一の課題として取り組んでまいります。

また、利益項目につきましては、営業利益が前期比10.8%増加の689百万円、経常利益が同10.0%増加の690百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同8.2%増加の513百万円と、いずれも増益を見込んでおります。これにより、組織体制の強化、研究開発の強化といった次世代に向けた体質強化の取り組みを行いながらも、計画では利益率のさらなる上昇を見込んでおります。

PSTNマイグレーションが発表されましたが、事業への影響はありますか?

当社にとっては「追い風」と考えております。

PSTNマイグレーションとは、PSTN(固定電話網)をIP網に移行することを指しますが、このPSTNネットディジタル通信モードが2024年1月に終了することが発表され、多くの企業が利用されている従来のISDNを用いたEDIは実質的に利用することが不可能となります。これは、音声系は引き続き利用できるものの、補完策を講じてもEDIの実用には耐えられないと考えられるからです。そのため、インターネットを用いたEDI方式への変更が行われることが予想されます。

当社のEDI製品は、これまでも、従来型(ISDN利用型)からインターネット型まで、1つの製品で対応が可能となっております。そのため、ご利用頂いている場合は、お客様のお好きなタイミングでシステムをリプレースすることができます。新たにEDI製品の導入を検討される場合、この利点は大きなアピールポイントとなると思われます。

今後の経営戦略を教えてください。

「既存市場の深堀り」と「事業領域の拡大」により、そのステージを広げます。

まず、大きな事業目標として掲げていることは、2016年以降のData Integration領域において、ソフトウェア市場のマーケットリーダーを目指すということです。現在、当社はEDIミドルウェアの事業領域で圧倒的な市場シェアNo.1を確保しておりますが、このData Integration領域は、その市場規模が現在の事業領域の市場規模のおよそ8倍の420億円程度となることが見込まれます。当社が「第3ステージ」と呼んでいるこのData Integration領域において、EDIは1つのセグメントに過ぎなくなります。このData Integration領域をカバーするソフトウェア製品により、企業として成長していくことを事業戦略として掲げています。

この、「Data Integration領域において、ソフトウェア市場のマーケットリーダーとなる」という、“在るべき姿”に向けて、現在取り組まなくてはならないことは、「既存市場の深堀り」と「事業領域の拡大」により、事業ステージをさらに広げていくことです。

現在のEDI系市場のニーズをさらに深堀りするとともに、新たな事業領域の拡大を目的として、ソフトウェアをご利用頂いているデータ変換・加工・データベース連携をあらゆる企業システムでご利用頂ける『RACCOON』、エンタープライズデータ連携基盤として企業のクラウドシステムやオンプレミスシステムに適用可能な『ACMS Apex』という戦略製品の拡販を図ります。この拡販を通じて「エンタープライズの社内・社外シームレスなデータ連携領域」という新たな市場を自ら創設し、サービス事業者への導入、そして、そのサービスを利用する企業への導入、ご利用頂くサービスの拡大と、その事業領域を拡大させていきたいと考えております。

株主の皆様におかれましては、本日お話しさせて頂いた当社の取り組みをご理解頂きましたうえで、今後とも更なるご支援を賜りますようお願い申し上げます。