Case Study導入事例

SCSK株式会社SCSK株式会社(情報・通信)導入事例

情報・通信ACMS ApexPDF PDF

EDIサービスのトップブランド「スマクラ」が
次世代サービス スマクラ2.0の基盤としてACMS最上位製品を選定

  • 課題
    ACMSシリーズを活用してきたスマクラが機能や業界のさらなる拡大を目指し、次世代サービス基盤を検討
    企業間基幹システムであるためささいなミスも許されない状況
  • 評価
    同時接続、高度な分散処理機能、Web APIやPCI DSSへの準拠を評価してACMS Apexを選定
    クラウドでのACMS Apexの検証時にDALがコンサルサービスを提供

SCSKのシステム連携基盤「スマクラ」を支えるACMS

SCSK株式会社は、50年にわたり、ビジネスに必要なすべてのITサービスをフルラインナップで提供してきたシステムインテグレータだ。これまで、8,000社以上の顧客課題を解決してきた。特に、特定のハードウェアやプログラミング言語に縛られない中立的なソフトウェア開発に実績がある。経営理念は「夢ある未来を、共に創る」。2030年に目指す姿として「グランドデザイン2030」を策定。「2030年 共創ITカンパニー」の実現に向けて邁進中だ。

同社のシステム連携基盤であり、次世代クラウドEDIサービス「スマクラ」は、まさにそのグランドデザイン思想を象徴するクラウドサービスである。前身である統合EDIサービスの提供開始からすでに36年、現在では契約顧客300社、その先の接続数30,000を超え、年間数10兆円規模の商取引情報を支える。

この「スマクラ」には、DALのACMSシリーズが長きにわたって活用されている。2007年、インターネットで実現するEDI標準仕様 流通BMSが出現。こうした新しい潮流に対応するために2008年にACMS E2Xを導入したのが最初だった。多様な通信プロトコルに対応していることが最大の採用理由で、以来、同社はACMS上でEDI業務およびテクノロジーの知財を蓄積している。

次世代基盤(スマクラ2.0)でも選ばれたのはACMS Apex

次世代スマクラ基盤(スマクラ2.0)のシステム選定を2年後に控えた2019年。「スマクラ」が拡大していく上で最適な製品はどれか、同社ではもう一度フラットな目で見直してみようということになった。ACMSシリーズを始め、4社4製品を候補に比較検討した結果、最終的に選んだのがエンタープライズ・データ連携基盤ACMS Apexだった。その理由を、SCSK株式会社 産業事業グループ 産業ソリューション事業本部 産業ソリューション第四部 第一課 課長代理 松本 洋介 氏は次のように語る。

「大きかったのが同時接続数ですね。ACMSの接続端末数10,000となると、多数の同時接続機能が必須で、最低でも96回線接続は必要でした。唯一、ACMS Apexはこれが可能で、望めば128、256と増やせる点で頭1つ抜け出ていました。流通小売業界からスタートした『スマクラ』ですが、他業界へもどんどん拡げていこうとしているさなかなので、この機能は必須でした。
もう一つは、分散処理です。他社製品にもあるにはありましたが、自由度が高く設定も容易という点で、高度な分散処理機能を備えていた点が勝っていました。具体的に、処理サーバ、通信サーバ、DBサーバといった単位で、規模や役割に合わせて分散・冗長構成を組んでおり、これが可能であったというのもACMS Apexの強みだったかなと思います。」

機能という点では、Web API、PCI DSSに準拠したセキュリティも、データ連携や機密情報の取り扱いについてニーズが増える中、今後は不可欠と判断された。

加えて、長くACMSシリーズを活用し、「スマクラ」スタッフが使い慣れてノウハウを蓄積し、その安定性から信頼を置いているという点も選択を後押しした。現在、社内および協力会社合わせて約150名ものスタッフが、サービス運用に携わっている。

ACMS Apex検証時にはコンサルティングサービスを活用

とはいえ、現行で構築してきたスマクラ1.0の知財をスマクラ2.0上に構築すること、およびサービス運用するのは容易ではないと同社は考えた。そこで、AWS上にPoC環境を構築して検証を開始。2020年からは本格的にDALと接点を持ち、直接質問や疑問を投げることにした。これを受けたのがDAL コンサルティング本部のコンサルタントで、寄せられる問い合わせの一つひとつに対応した。松本氏はこのときのことを次のように振り返る。

「EDIはミッションクリティカルな業務で、提供するサービスのサービスレベルの低下は許されません。ACMS Apexについては、一点の疑問も残さないように、またこの機会に製品を徹底的に理解し、ACMS Apexを活用したスマクラサービスの付加価値向上のため、検討・設計を行い、並行してDAL製品の利用ユーザとしての機能要望を出しました。
たとえば、管理画面まわり。初期設定は通信やデータ処理などの結果を一画面で見るというものでしたが、当社では、通信で8万件/日、細かいジョブまで含めると処理部分で約50万ステップぐらい流れるため、どこまでいっても終わりにたどりつけないし、当社の運用スタイルにも合いません。ホットラインを構築してこういった事情を打ち明けたところ、真摯に対応いただき、おかげで2020年7月には迷いなく導入を決断できました。担当者には深く感謝しています。」

高い自由度で顧客要望に合わせた適切な設計を実現

既に製造業、流通業、金融業など幅広い業界において30社が採用を決定しているという。

ACMS Apexを導入した効果を、SCSK株式会社 産業事業グループ 産業ソリューション事業本部 産業ソリューション第四部 第二課 課長 丹治 秀太朗 氏は次のように語る。

「実感しているのは、自由度が高くなったことです。お客様やファイルといった単位で、より細かい設定ができるようになったことは大きいと思っています。今までなら、できる・できないの二択になりがちで、『スマクラの制約上、それはお受けできません』と言わざるを得ない場面もありました。ACMS Apexだと、そういうことを減らせるなと思っていて、『それなら、ここだけこうしましょう』といろいろ融通をきかせられるので、お客様とお話ししやすくなりました。」

スマクラは「すべての企業が、高品質の電子取引が簡単にできる社会の実現」を目指し、機能拡充、サービス拡大を続けており、受発注EDIのみならず、ファームバンキングや改正電子帳簿保存法で求められるデータ保管、Web APIを通じたデータ連携などのシステム連携基盤としても大きく期待されている。

「すでにさまざまなお客様とつながっているのは大きな資産で、将来的には『スマクラ』上を流れるデータの利活用や、データに価値を付加するサービスの提供なども検討しています。DALにはEDIの専門家として引き続き知恵を借りたく、これからも変わらずサポートいただければありがたいです。」

このように語る松本氏。企業間のあらゆる連携ニーズに応える「スマクラ」のバックエンドで、ACMS Apexが動いている。

スマクラ 2.0 サービス概要図

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