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冗長化サーバーとは?二重化との違いとシステム構成、メリットを解説

最終更新日:2026/07/31 冗長化サーバーとは?二重化との違いとシステム構成、メリットを解説

サーバー冗長化は、障害発生時にもシステムを継続して稼働させるための重要な対策です。企業活動のデジタル化が進む中、サーバー停止は業務の中断や機会損失、顧客からの信頼低下を招く恐れがあります。一方で、冗長化にはさまざまな構成方式があり、自社に適した方式を選ばなければ十分な効果を得られないこともあります。本記事では、サーバー冗長化の基本的な仕組みや二重化との違い、代表的な構成方式、導入メリット・デメリット、導入時のポイントまでをわかりやすく解説します。

INDEX

  1. 冗長化サーバーとはどのようなサーバーか
  2. 冗長化サーバーの役割・目的
  3. 冗長化サーバーの構成例
  4. ホットスタンバイ・コールドスタンバイの意味と違い
  5. 事業継続計画(BCP)対策に冗長化システムが役立つ理由
  6. サーバーを冗長化するメリット
  7. サーバーを冗長化するデメリット
  8. サーバーを冗長化するための主な技術
  9. サーバーを冗長化する際のポイント・注意点
  10. 冗長構成で安定稼働を支える「ACMS Cloud」がおすすめ
  11. まとめ

冗長化サーバーとはどのようなサーバーか

冗長化サーバーとは、サーバーやネットワーク機器などに障害が発生したとしても、システムを継続して稼働できるように用意する予備のサーバーです。万が一、一方のサーバーが停止した場合でも、待機中のサーバーへ処理を引き継ぐことで、サービス停止や業務への影響を最小限に抑えられます。システムの可用性や事業継続性を高めるための重要な対策としてよく知られています。

ITシステムにおける冗長化の意味

ITシステムにおいて冗長化を行うということは、サーバーやストレージ、ネットワーク機器などの重要な構成要素をあらかじめ複数用意し、一部に障害が発生してもシステム全体の稼働を継続できるようにすることを意味します。障害発生時、待機系へ切り替えたり、別の機器が処理を引き継いだりすることで、システム停止のリスクを低減できます。安定したサービス提供や事業継続を実現するために、ある意味欠かせない設計手法です。

冗長化と二重化の違い

冗長化と二重化は混同されがちですが、意味は異なります。冗長化は、障害に備えてシステム全体の可用性を高めるために予備の機器や経路を用意することです。一方、二重化はその実現方法の一つです。サーバーやネットワーク機器などを二組用意して障害時に切り替えられるようにする構成をさします。

冗長化サーバーの役割・目的

冗長化サーバーは、システム障害による業務停止やサービス中断を防ぎ、安定したシステム運用を実現することを目的に配備されます。また、システム障害によらない不測の事態が発生した時も、迅速に処理を引き継げる環境を整えておくことで、事業継続性の向上や可用性の確保が現実化します。

システムの継続稼働を実現する

障害が発生してもシステムを使い続けられること、それがサーバー冗長化を行う最大の目的です。通常は、本番系と待機系のサーバーを用意し、本番系に障害が発生した場合には待機系へ処理を引き継ぐことで、サービス停止時間を最小限に抑えます。これにより、利用者は大きな影響を受けることなくシステムを利用し続けられます。企業活動においてITシステムへの依存度が高まる現在、サーバーを停止させないことが業務品質や顧客満足度の維持に直結するため、冗長化は安定したシステム運用を支える重要な役割を担います。

事業継続性(BCP)を支える

サーバー冗長化は、災害をはじめとした予期せぬトラブルが発生した場合にも、事業を継続するための重要な対策となります。基幹システムや受発注システムなどが長時間停止すると、売上機会の損失や顧客対応の遅延、取引先への影響など、企業活動全体に大きな支障を及ぼします。冗長化によって障害時にもサービスを継続できる環境を整備しておけば、事業継続計画(BCP)の実効性を高めることができます。安定したIT基盤を構築することは、企業の信頼性向上やリスク管理の観点からも不可欠な取り組みといえます。

ミッションクリティカルな業務を止めない

企業では、受発注や在庫管理、会計、EDIによる企業間データ連携など、停止すると事業へ大きな影響を及ぼすミッションクリティカルな業務が数多く存在します。これらのシステムが停止すると、取引先とのデータ交換が滞り、出荷や請求などの業務にも連鎖的な影響が及びます。サーバーを冗長化しておけば、障害発生時にも処理を継続しやすくなり、重要な業務を止めるリスクを低減できます。特に企業間データ連携を支えるシステムでは、高い可用性を備えた運用環境を整えることが、安定した取引と継続的な事業運営を支えるカギとなります。

冗長化サーバーの構成例

冗長化サーバーには、求められる可用性やシステム規模、運用要件に応じてさまざまな構成方式があります。障害発生時の切り替え方法や機器の配置、データの保持方法などによって特徴が異なるため、自社の業務内容や予算、運用体制に適した構成を選択しましょう。

アクティブ・スタンバイ構成

アクティブ・スタンバイ構成は、本番系サーバーと待機系サーバーを用意し、通常時は本番系のみが業務を処理する構成です。本番系で障害が発生した場合には、待機系へ処理を切り替えることで、システム停止時間を最小限に抑えられます。構成が比較的シンプルで導入しやすく、多くの基幹システムや業務システムで採用されています。ただし、通常時は待機系サーバーの性能を十分に活用することができません。

アクティブ・アクティブ構成

アクティブ・アクティブ構成は、2台のサーバーが同時に稼働し、処理を分担しながらシステムを運用する構成です。通常時からすべてのサーバーを有効活用できるため、負荷を分散しやすく、高い処理性能を実現できます。また、片方のサーバーで障害が発生しても、片方のサーバーが処理を継続することでサービス停止を回避しやすい点も特長です。ただし、負荷分散やデータ同期の仕組みが必要となるため、構成や運用はアクティブ・スタンバイ構成より複雑になります。

N+1構成

N+1構成は、システムの運用に必要なサーバー台数(N台)に対して、予備となるサーバーを1台追加して構成する方式です。通常時は必要な台数で処理を行い、いずれかのサーバーに障害が発生した場合には予備サーバーが処理を引き継ぐことで、システム全体の稼働を維持します。サーバー台数が多い大規模システムで採用されます。可用性を高めながら、すべてのサーバーを二重化する場合と比べてコストを抑えやすいのがメリットです。

ホットスタンバイ・コールドスタンバイの意味と違い

ホットスタンバイとコールドスタンバイは、障害発生時の待機サーバーの状態が異なることを意味しています。ホットスタンバイでは、待機サーバーが常に起動した状態で本番系サーバーとデータを同期しているため、障害が発生した際には速やかに処理を引き継ぐことができます。システム停止時間を最小限に抑えられることから、受発注システムやEDIなど、高い可用性が求められるシステムで多く採用されています。一方、コールドスタンバイでは待機サーバーは通常停止しており、障害発生後に起動してサービスを引き継ぐため、復旧までに一定の時間を要します。しかし、運用コストや消費電力を抑制できるというメリットがあります。業務停止による影響の大きさや求められる復旧時間を踏まえ、自社に適した方式を選択しましょう。

事業継続計画(BCP)対策に冗長化システムが役立つ理由

事業継続計画(BCP)では、災害やシステム障害、サイバー攻撃などの予期せぬ事態が発生しても、重要な業務をできる限り停止させず、早期に復旧させることが求められます。その実現に貢献するのが冗長化システムです。サーバーやネットワークなどを冗長化しておけば、一部の機器で障害が発生しても予備系へ迅速に切り替えられるため、業務停止時間を最小限に抑えられます。特に受発注やEDIによる企業間データ連携など、事業活動を支える基幹システムでは、継続してサービスを提供できる環境を整えておくことが最善です。

サーバーを冗長化するメリット

近年は、基幹システムや企業間データ連携など、停止が許されないシステムが増えており、サーバーの安定稼働は企業活動を支える重要な要素となっています。サーバーを冗長化すると、障害発生時の影響を抑えながら、安定したシステム運用を実現しやすくなります。また、障害発生時の切り替えを考慮したシステム構成を採用することで、運用面の負担軽減やリスク管理の強化にもつながります。つまり、冗長化は単なる障害対策ではなく、事業を支えるIT基盤を構築するための重要な取り組みといえます。ここでは、サーバーを冗長化することで得られる主なメリットについて解説します。

システム停止のリスクを最小限に抑えられる

サーバー障害が発生すると、業務システムやWebサービスが利用できなくなり、企業活動に大きな影響を及ぼす可能性があります。サーバーを冗長化しておけば、障害発生時に待機系サーバーや別のサーバーへ処理を引き継げるため、システム停止時間を大幅に短縮できます。ダウンタイムを最小限に抑えることで、業務の中断や顧客への影響を軽減し、安定したサービス提供を維持できます。

業務継続性(BCP)を強化できる

企業には、災害や機器故障、サイバー攻撃など、さまざまなリスクに備えながら事業を継続することが求められています。サーバーを冗長化することで、一部の機器に障害が発生しても重要なシステムの継続性が高まり、業務停止による損失を抑えられます。BCP対策の一環として冗長化を取り入れることで、取引先や顧客への影響を最小限に抑え、企業の事業継続力を向上させることができます。

システムの可用性・信頼性を高められる

障害が発生してもシステム全体が停止しにくくなるため、安定したサービスを継続して提供できます。可用性が向上することで、利用者はシステムを安心して利用でき、企業としても安定した運用を実現できます。また、重要な業務システムや企業間データ連携では、継続して稼働できる環境そのものが企業の信頼性につながります。冗長化は、安定したIT基盤を支える中核的な取り組みといえます。

サーバーを冗長化するデメリット

サーバーの冗長化には、導入前に考慮すべき点もあります。冗長構成では、複数のサーバーや関連機器を組み合わせて運用するため、通常のシステム構成とは異なる設計や管理が求められます。また、自社の業務要件やシステム規模に適した構成を選択しなければ、十分な効果を得られない恐れもあります。そのため、冗長化を検討する際は、期待できるメリットだけでなく、導入から運用までを見据えた上で、自社に適した構成やサービスを選ぶことが肝要です。ここでは、サーバーを冗長化する際に把握しておきたい主なデメリットについて解説します。

導入・運用コストがかかる

予備サーバーやストレージ、ネットワーク機器などを追加で用意する必要があるため、通常のシステム構成よりも導入コストが高くなる傾向があります。また、ソフトウェアライセンスや保守契約、電力などのランニングコストも考慮しなければなりません。導入を検討する際は、初期費用だけでなく、長期的な運用コストも含めて費用対効果を評価するようにしましょう。

運用・保守が複雑になる

冗長化されたシステムでは、複数のサーバーが正常に連携していることを継続的に確認する必要があります。そのため、障害監視やデータ同期の確認、ソフトウェア更新、定期的な切り替え試験など、通常のサーバー運用にはない管理作業が発生します。また、障害発生時には冗長構成全体を考慮した対応が求められるため、運用ルールや管理体制をあらかじめ整備しておくことを推奨します。

システム設計・構築の難易度が高くなる

サーバー冗長化では、サーバーの配置だけでなく、ネットワーク構成やストレージの接続方法、データ同期の仕組み、障害発生時の切り替え方法などを総合的に設計する必要があります。設計が不十分な場合は、期待した冗長化の効果が得られないだけでなく、障害時にうまく切り替えられないリスクもあります。そのため、自社の業務要件に応じた適切な構成を検討し、十分な設計・検証を行ってください。

サーバーを冗長化するための主な技術

サーバーの冗長化は、予備サーバーを用意するだけで実現できるものではありません。障害発生時にもシステムを継続して稼働させるためには、サーバーやストレージ、ネットワーク、データ同期など、複数の技術を組み合わせて設計することが重要です。ここでは、サーバーの冗長化を実現するのに役立つ技術を紹介します。

HAクラスタ

HA(High Availability)クラスタは、複数のサーバーを連携させ、一方のサーバーで障害が発生した際に、もう一方のサーバーへ自動的に処理を引き継ぐ技術です。通常は本番系と待機系で構成され、障害を監視しながら必要に応じてフェイルオーバーを実行します。システム停止時間を最小限に抑えられることから、基幹システムやEDIなど、高い可用性が求められるシステムで広く利用されています。

RAID(ストレージ冗長化)

RAID(Redundant Array of Independent Disks)は、複数のストレージを組み合わせてデータを保存し、ディスク障害によるデータ消失やシステム停止のリスクを低減する技術です。構成方式によってはデータを複製したり、パリティ情報を保持したりすることで、ディスクが故障しても運用を継続できる場合があります。ただし、RAIDはストレージを保護する技術であり、サーバー全体の冗長化を実現するわけではありません。

ネットワーク冗長化(チーミング)

ネットワーク冗長化は、通信経路やネットワーク機器を二重化し、障害が発生しても通信を継続できるようにする技術です。代表的な方法であるチーミングでは、複数のネットワークインターフェースを束ねて1つの論理インターフェースとして利用します。OSやアプリケーションからは1つのインターフェースとして扱われますが、内部では複数の物理インターフェースが監視・管理されており、障害発生時には正常な回線へ自動的に切り替えられます。また、構成によっては通信負荷を分散できるため、可用性と通信性能の向上が期待できます。

レプリケーション(DRBDなど)

レプリケーションは、サーバー間でデータをリアルタイムまたは一定間隔で複製し、障害発生時にも最新に近いデータを利用できるようにする技術です。Linux環境で利用されるDRBD(Distributed Replicated Block Device)は、その代表的なソフトウェアの一つで、ブロックレベルでデータを複製できます。HAクラスタと組み合わせて利用されることも多く、障害時のデータ保護と迅速なシステム復旧を支える技術です。

サーバーを冗長化する際のポイント・注意点

サーバーを冗長化することで可用性や事業継続性を高められますが、十分な効果を得るためには事前の検討が欠かせません。自社の業務内容やシステム要件に適した構成を選択し、導入から運用までを見据えて計画することが重要です。ここでは、サーバーを冗長化する際に押さえておきたい主なポイントを紹介します。

システムの可用性要件を把握する

冗長化を検討する際は、まずシステムにどの程度の可用性が求められるのかを明確にしましょう。障害発生時に許容できる停止時間やデータ損失の範囲を整理することで、必要な冗長化レベルや構成を適切に判断できます。過剰な冗長化や不足した対策を避けるためにも、業務要件は十分に確認しておきたいものです。

冗長化にかかるコストを算出・比較する

冗長化においては、サーバーやストレージなどの機器費用だけでなく、ライセンス費や保守費、運用費なども発生します。そのため、初期費用だけで判断するのではなく、長期的な運用コストを含めて比較・検討することが大切です。システム停止による損失も考慮しながら、高い費用対効果が得られる構成を選択しましょう。

運用・障害対応まで見据えて設計する

冗長化システムは、構築して終わりではありません。障害監視やデータ同期の確認、ソフトウェア更新、フェイルオーバー試験などを継続的に実施することで、初めて本来の効果を発揮することが可能です。障害発生時における対応手順や運用体制もあらかじめ整備し、実際のトラブルに備えられる環境を構築することが肝心です。

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まとめ

サーバーの冗長化は、障害発生時にもシステムを継続して稼働させ、企業活動への影響を最小限に抑えるための重要な取り組みです。構成方式や冗長化技術にはさまざまな種類があり、自社の可用性要件や業務内容に応じて最適な構成を選択することが求められます。一方で、導入コストや運用負荷、設計の難易度なども十分に考慮する必要があります。自社だけで冗長化環境を構築・運用することが難しい場合は、高可用性を備えたクラウドサービスを活用することも有効な選択肢です。本記事が、貴社におけるシステム基盤の選定に役立てば幸いです。

この記事の執筆者

DAL データ連携EDIETL

データ・アプリケーション
データ活用研究チーム

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経歴・実績
株式会社データ・アプリケーションは、日本を代表するEDIソフトウェアメーカーです。設立は1982年、以来EDIのリーディングカンパニーとして、企業間の取引を円滑に効率化するソリューションを提供しています。1991年からは日本の標準EDIの開発やSCM普及にも携わっており、日本のEDI/SCM発展に寄与してきました。
現在は、EDI/SCM分野のみならず、企業が所有しているデータの活用についてもビジネススコープを広げています。ハブとなるデータ基盤提供を始めとして、さまざまな角度から幅広く研究・分析を行っており、その提言を通じて日本企業のDX推進を後押ししています。


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