Case Study導入事例

株式会社ひむか流通ネットワーク株式会社ひむか流通ネットワーク(情報・通信)導入事例

情報・通信ACMS ApexPDF PDF

EDIセンター事業のさらなる充実・発展が期待できる
ACMS Apexへのアップグレードを決定

  • 課題
    従来型EDIと流通BMS対応、二本立てになっていた運用保守体制
    24時間止められないEDIセンター事業に堪える基盤を模索
  • 評価
    JCA手順から流通BMSまで統合運用できる基盤体制を確立
    高い操作性がエンジニアをバックアップ テクニカルサポートも充実

共同実証実験への参加を機にAnyTranを採用

株式会社ひむか流通ネットワークは、宮崎を拠点に流通に特化したシステム提案・開発・運営を行うシステムインテグレータだ。1988年の創業以来、一貫して地域の小売企業・卸売業者・生産者の業務効率化向上に注力し、店舗システムや自動発注システムの開発、「HIMUKA EDI」のブランド名で呼ばれるEDIセンター事業、ASP事業と幅広く展開している。

九州を代表するEDIセンター事業者である同社は、常に流通業界の潮流をいち早くキャッチアップ、XMLをベースとした新しいEDI標準流通ビジネスメッセージ標準(以下、流通BMS)にも2008年という早期に対応を果たした。

この新EDI標準の普及を進める流通BMS協議会では、2014年から2015年にかけて、小売業や金融機関が参加して商流情報と決済情報を連携させて通信を行う共同実証実験を2回にわたって実施。この2回目の実験に、ひむか流通ネットワークは参加するよう誘われた。1回目に同社の顧客企業が参加しており、すでに流通BMSに対応済みであったため、白羽の矢が立ったのだ。同社はこれを快諾する。

当初は、導入済みの流通BMS対応システムで実験に参加するつもりだった。しかし、共同実証実験では高い柔軟性を持つXMLフォーマットの処理が求められ、既存システムでは対応が困難であったため、データ・アプリケーション(以下、DAL)が提供するデータ変換ツール AnyTranを採用した。

EDIインフラの一本化をめざしてACMS E2Xへ移行

共同実証実験終了後、同社は流通BMS対応システムを見直し、DALのB2Bインテグレーション・サーバ ACMS E2Xへの移行を決断した。株式会社ひむか流通ネットワーク代表取締役 副社長 井口(いのくち)博之氏は、選定の理由を次のように語る。

「以前はACMSシリーズに“高嶺の花”という印象を抱いていたんですが、実際もらった提案に納得でき、技術的にもJCA手順から流通BMSまでサーバ1台でカバー可能である点に惹かれました。当社はJCA手順に関してはメインフレームを利用しており、運用保守を担うエンジニアがそれぞれ別で、スキルセットが二本立てになっている状況でした。これを機会に一本化がめざせると思いました。
そして何より、ACMSは導入実績が高かった。当社のEDIセンター事業は、流通事業者と取引先の間でハブの役割を果たしており、少しでも止まれば数億円単位の商流物流がストップする、まさに24時間止められないミッションクリティカルな業務です。ACMSシリーズは、まさにこうしたシビアなEDIセンター業務に堪えるつくりになっていると判断し、移行を決断しました」

これが2015年のことで、ACMS E2Xの導入によりJCA手順、全銀TCP/IP、ebXML MS、JX手順といった通信プロトコルが利用可能になった。株式会社ひむか流通ネットワークシステム部 開発G 課長 鬼束直宏氏は、製品に触れた感想をこう語る。

「前システムより直感的に操作できるなと思いました。特に事前知識を持っていなくても、運用画面からどこを触ればどうなるか視覚的にわかります。またサポートもよく、ACMS E2Xになって問い合わせに対するレスポンススピードは確実に上がりました」

EDIセンター事業を高度化・拡大可能なACMS Apex導入を決定

2019年、同社はACMS E2Xの後継製品であるエンタープライズ・データ連携基盤ACMS Apexへのアップグレードを決めた。その理由は大きく4つある。

1つめは、マルチテナント機能だ。ACMS ApexにはEDIサービスの運用を効率化するマルチテナント機能があり、テナントごとに利用する通信プロトコルやアプリケーションを指定したり、リソースを共有させるといった運用が行える。これによって、ひむか流通ネットワークが複数のEDIセンター事業を並行運用したり、顧客企業のEDI環境を代行運用するといったことが実現できるのだ。EDIは商取引を行うすべての企業に重要な業務だが、ニッチな分野であることも確かであるため、“餅は餅屋”で実績をもつ同社が一手に担うことには大きな意味がある。

2つめは、高度な冗長性の確保だ。ACMS Apexが自ら持つクラスタ機能によって、統合管理サーバに障害が起きた場合にも代替サーバに自動で切り替わって処理を継続する。クラスタ構成を組まなくても事業継続性が担保されるため、EDIセンター事業を営む同社には最適の機能なのだ。

3つめは、高いセキュリティである。ACMS Apexはクレジットカード業界のセキュリティ基準であるPCI DSSに準拠しており、扱うファイルは常に暗号化された状態で保管、閲覧権限者のみに参照を許す仕組みであることも評価された。

4つめが、Web APIによるデータ連携に対応していることで、井口氏はなかでもこの点に大きな期待をかけている。

「流通業界は人手不足が深刻で、店舗では業務プロセスのさらなる効率化が求められています。当社も自動発注システムなどで支援していますが、発注精度を上げようと思えば、過去の実績データだけではなく、現在の在庫データ、気象予報データ、店舗周辺のイベントデータなどさまざまなデータが必要です。
それがACMS Apexのデータ連携機能でシンプルに実現できそうな気がしています。また、新しいデータサービスの実現にも活躍してくれそうで今から楽しみにしています」

一方、鬼束氏は次のように語る。

「先日セミナーを受講してようやく全貌が見えてきた段階ですが、講義の中でACMS Apexに加え、さまざまなデータがハンドリングできるというRACCOONの紹介がありました。多くの企業ではまだまだFTPなどの通信プロトコルが利用されていて、通信環境によっては途中で切断され、制限時間内に転送しきれないといった問題に悩まされています。ACMS ApexとRACCOONを組み合わせて利用するとそのようなリスクから解放されるように思い、これから調査したいと思っています」

ACMS Apex導入決定を機に、ビジネス構想をふくらませる両氏。九州の流通業界で屋台骨の役割を果たす、ひむか流通ネットワークの今後の動きが楽しみだ。

ACMS Apexのデータ連携機能で、自動発注の精度を上げ、新しいデータサービスの実現を目指す

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