Case Study導入事例

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電気機器・電子AnyTranPDF

グローバルSCM基盤で稼動していた複数トランスレータを
AnyTranへ集約することで運用保守工数の削減を実現

  • 課題
    複数トランスレータ稼動による運用コスト運用保守工数の増大
    複数トランスレータの集約を構想するが大幅な機能強化が必要
  • 評価
    求められた性能要件を満たすため DAL と TIS が全面協
    トランスレータの集約により運用保守負荷が削減

パナソニックグループの企業活動を中核で支えるSCMプラットフォーム

ブランドスローガンは、“Panasonic ideas for life”。世界中の人々のくらしを輝かせる“アイディア”をお届けし、地球の未来と社会の発展に貢献し続けるべく、たゆまぬ挑戦を続けているのがパナソニック株式会社だ。

同社において、グループのグローバルなSCMを支える基盤システムにGITP(Global IT Platform)というものがある。これは、パナソニックグループ内外の約2,500のシステムを接続し、商取引に伴って生じるデータを必要に応じて交換しながら24時間ノンストップで伝送するプラットフォームだ。例えば、流通小売事業者からの販売計画を受け取って同社の生産計画へと展開。資材調達を行って納期に合わせて生産し製品を納める。一連の企業活動に不可欠な情報が、全てこの仕組みを流れており、お客様にとっても有益であり重要なものとなっている。ほんの数時間でも止まれば、パナソニックグループ全体の動きが滞ることになり、その意味でGITPはまさにパナソニックグループの心臓だ。接続ユーザ数は約25,000/月、伝送データ量は約100万件(100GB)/月。グループ内のデータフォーマット約20種とグループ外との伝送で必要となるUN/EDIFACT、CII/EIAJなどの各種業界標準フォーマットとの交換を行っており、変換マップ数にして約800。これはVANクラスのサービス規模で、グローバル企業の基盤システムだけにGITPはスケールという点でも群を抜いている。

パナソニックグループのIT戦略および展開を一手に担うコーポレート情報システム社では、2000年から全体最適および業務効率向上の観点からGITP構築に着手、今日の規模まで育てあげてきた。しかし、プラットフォームの拡張に伴って課題も生じ始めた。さまざまなデータ交換フォーマットに対応するためのトランスレータを導入するうち、社内に複数のトランスレータが稼動する状況になったのである。その結果、パッケージの保守費用を含めて運用コストが増大、また複数のスキルセットが要求され運用工数負荷も高かった。コーポレート情報システム社 情報基盤グループ eビジネス推進チームは、この状況を抜本的に改善すべく問題解決に立ちあがった。

トランスレータの集約で選択したのは機能強化が可能だったAnyTran

当初は、全てのデータフォーマットに対応可能なトランスレータを自社開発することも考えたという。しかし、それではあまりにも時間とコストがかかりすぎる。めざしたのは、トランスレータの集約だった。ここで候補に挙がったのが、DALのAnyTranである。GITPではすでにDALのACMSとAnyTranを導入しており、基本的な機能や特性は熟知している。ただ、複数のトランスレータで分散処理していたパナソニックグループの商取引データがここに一本化されるとなると、非常に高度な性能が必要になる。DALは、GITP担当のシステムインテグレータにして製品販売代理店であるTISからの要請を受け、新バージョンでの機能強化を確約した。具体的なポイントは2点ある。

1つは、GITPの現行スループット維持、増加傾向にあったトランザクションへの対応をめざした変換プロセスの常駐化だ。Java環境においてそのたび生じていたJavaVMの起動オーバーヘッドを、AnyTranの常駐化によって解消することにしたのである。特に変換プロセスについては並行処理を可能にするため複数常駐化を図った。 もう1つは、変換プロセスでメモリを適切に利用できるよう、AnyTranでメモリを動的に解放する機能だった。今回、トランスレータの選定にあたったパナソニック株式会社 コーポレート情報システム社 インフラソリューションBU 情報基盤グループ eビジネス推進チーム チームリーダー伊藤 二郎氏は次のように語る。「当社が出した2つの機能強化要望に対し、DALとTISは一枚岩となって前向きに検討、最前線のエンジニアが対策を練ってくれました。他社には真似できなかったでしょう。事前の性能検証は徹底的に行うつもりでしたから、前例がないことは気になりませんでした」。実際、性能検証においては、eビジネス推進チームは専用環境を用意。DALのAnyTran開発エンジニア、TISのEDI開発専任チーム、パナソニックに常駐のTISのGITP運用保守チームをリードしながら、ほぼ本番同様のデータを使って数ヶ月間にわたって機能検証やパフォーマンス調整を行った。

運用保守工数の軽減を実感、最終的には完全一本化へ

2008年、それまで利用していたAnyTranをバージョンアップするとともに、リプレース時期が迫っていた他社製トランスレータをここへ集約した。AnyTranへの集約プロジェクト第一弾だ。パナソニックグループの企業活動における心臓であるため、本番移行の現場には緊張もあったが、事前に十分な性能検証、稼働検証を行ったため、ほとんど問題なく完了したという。他のトランスレータも今後3年をめどに、順次AnyTranへ集約されていく予定だ。一本化されたあかつきには、運用コスト、運用保守工数はほぼ半減することが確実視されている。パナソニック株式会社コーポレート情報システム社 インフラソリューションBU 情報基盤グループ eビジネス推進チーム主任システムエンジニア 國澤 華子氏は、現時点での導入効果を次のように語る。「運用保守するトランスレータが少なくなるということは、それだけ考えるべき対象が減るということで、事実、負荷は減っています。重要なのは、トランスレータは導入したら終わりじゃないということ。SCMをめぐる環境は日々動いており、十分な運用保守スキルがないと業務が回りません。その点、自社でVANサービスを提供しているTISでもACMSやAnyTran 等のDAL製品を使っているということで安心感があります。これからもユーザ視点に立った提案を頂けたら嬉しいですね」

TIS株式会社 IT基盤サービス事業部 IT基盤サービス第2部 主任 須田 尚克氏は、プロジェクトを振り返って次のように語る。「今回パナソニック様で求められた性能要件を実装したことで、AnyTranは大幅に機能強化されました。それは今後主流となるであろうXML形式のファイル交換でも活かせるため、かなりの製品差別化につながると思われます」

パナソニックグループがこの先めざしていくのは、さらにスピードと変化対応力に満ちたSCM。すでに流通BMSやWeb-EDIの自動化、JAMP-GP接続など新たなテーマへの対応も予定しており、その歩みに一分の隙もない。

構成図
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