Case Study導入事例

日本酒類販売株式会社日本酒類販売株式会社

商社・卸ACMS E2XPDF

システムインフラのオープン化で浮上したEDI業務の抜本的刷新
ACMS E2XおよびACMS WebAgentの導入でWeb-EDIに山積していた課題が一気に解決

  • 課題
    TCO削減と開発スピード向上のため、EDI業務のオープン化が決定
    Web-EDIの遂行に、現場およびシステム部双方で問題が発生していた
  • 評価
    ACMS WebAgentの採用によるWeb-EDI自動化で作業負荷が激減
    100%社内開発が実現し、TCO削減と開発スピード向上という目標を達成

EDI業務のオープン化で選ばれたACMS E2X

日本酒類販売株式会社(日酒販)は、取り扱いを酒類関連商品に特化した日本最大級の総合卸事業者である。スローガンは「イノベーション&クリエーション」。創業から60年、全国に37ヶ所の営業拠点と54ヶ所の物流拠点を有し、生産者から小売店舗の現場へ、安全で安心できる良質の商品を円滑に供給し続けている。

また、常に消費者視点に立って優れた商品の発掘と育成に努め、最適流通の提案やソリューションの提供に努めているのが特長で、たとえば、2005年には全国的な酒類流通網を構築し、業界の健全な発展を図ることを目的とした機構「酒卸ユニオン」(Sake Oroshi Union、略称SOU「創」)を設立。会員の延べ726名がワイン・清酒・焼酎等の酒類関連資格を取得し、文字どおり「酒類セールスのプロ集団」だ。今日では会員企業が17社に上り、総売上高7,420億円、市場シェア約15%と国内最大のアライアンスに成長した。

同社では企業情報システムを長くメインフレーム上で開発・運用してきたが、2006年、経営トップが「TCO削減とシステム開発のスピード向上を実現するため、内製化を推進する」という意思決定を行った。それに伴い、取引先との企業間電子商取引(以下、EDI)業務についてもオープン環境へ移行することになった。

同社には、すでにEDIでデータ交換を行っている取引先が800社以上存在する。その内訳は、小売店が714社、金融機関関連が16社、協力卸が12社、メーカー80社だ。通信プロトコルはJCA手順や全銀BASICが大半で、この2つで90%以上の割合を占める。こうした環境をカバーし、今後の流通BMSの普及も考慮したEDIサーバとして、同じ業界に幅広く導入実績を持つACMS E2Xを選択した。日本酒類販売株式会社 情報物流本部 情報統括部 開発課 課長代理 小川 勝豊氏は、その理由を次のように語る。

「やはりACMSの豊富な実績が大きかったですね。われわれと同じ業態の企業で問題なく使われているという点が、何よりの安心材料でした」

日本酒類販売株式会社 情報物流本部 情報統括部 参事補 肥塚 貴一郎氏は言葉を添える。

「EDIはメインフレームですでにある水準を確立しており、また取引先と直接やりとりする部分です。オープン環境への移行でそのレベルを下げることだけは避けたいと考えました」

こうして日本酒類販売は無事にEDI環境をオープン化したのだが、実はこの機会にもう一つ解決しておきたい課題があった。Web-EDIである。

Web-EDIで山積していた問題を解決するためにACMS WebAgentを導入

Web-EDIによる取引は、全体から見ればほんの数%、企業数にして50~60社で、大きなボリュームではない。しかし、現場のオペレーション、開発関連の工数ともに、Web-EDIにまつわる業務量は看過できないものがあった。

まず現場では、取引先のWeb-EDI専用サイトからのデータダウンロードを手作業で行うためだけに、残業や休日出勤が常態化していた。また、Web-EDIのために構築されたサイトは標準画面や標準フローというものがなく、取引先ごとにその構成は多岐にわたっている。そのため現場のオペレーション担当者にはわかりにくく、データの送受信漏れや受注データを間違ってダウンロードするなどミスが多かった。

問い合わせや対応を要請されるのは情報統括部である。現場対応を行うためにこの部門でも恒常的に休日出勤が必要で、問題解決のために時間を割くことが余儀なくされていた。

また、いくつかの支店ではダウンロードした受注データを基幹システムに連携するために、統合開発環境や表計算ソフトを使って独自に転送ツールを開発していたのだが、そのツールも様々あり、問い合わせの対応やメンテナンスは特定のエンジニアしか行えなかった。さらに現場を調査していくうちに、情報統括部が把握していないWeb-EDIサイトが存在し、手作業にて入力を行っていることも明らかになった。

日本酒類販売株式会社 情報物流本部 情報統括部 情報企画課 主任 尾山博章氏は語る。「Web-EDIの問題は山積しており、現場の負担も大きかったため、何とかしたいと思っていた中で発見したのが、ACMS WebAgentでした」

ACMS WebAgentは、Webブラウザを通して人が行うキーボードおよびマウス操作をスクリプトとして記録・再生できるソフトウェアで、取引先のWebサイトに接続、ログインし、さらには取引データのアップロードやダウンロードといった一連の画面操作を自動化できる。もちろん、基幹システムとの連携も可能で、ブラウザ操作の手間を省き、工数および運用コストを大幅に削減できる。尾山氏は語る。

「まさに実現したかったのはこういうことだと思いました。同様の機能を持つ他社製品も調査してみましたが、ACMS E2Xとの高い親和性を考えても、ACMS WebAgentを選択するのが最も自然でした」

自動化実現により、現場および情報統括部の作業負荷が激減

ACMS WebAgentによる取引先とのWeb-EDI自動化は、2009年3月にスタート。現在、対象となる64社のほぼ半数が対応済みで、残りも2009年中には接続が完了する予定だ。

これにより、従来1回あたり約90分かかっていた現場のWeb-EDIオペレーションがほぼ解消、残業や休日出勤も減少した。もちろん、ミスも撲滅された。

また、情報統括部においてもWeb-EDI関連の問い合わせや対応がなくなり、本来の業務へ集中できる環境が確立された。「正確に計算したわけではないが、当社全体でみると人件費の抑制割合や業務効率向上度は大きなものになるだろう」と小川氏。

さらに、このプロジェクトは100%内製化で行われており、オープン環境への移行で掲げられた“TCO削減とシステム開発のスピード向上のための内製化推進”が、まさに実現された格好だ。ここで一役買っているのが、ACMS E2Xの一機能でデータやフォーマットの変換ツールであるAnyTran。

「このツールにはロジックも組み込めるので、ACMS WebAgentで受け取ったデータに何か加工したいときも、外にプログラムを用意しなくてもいいのがうれしいですね」(肥塚氏)

今後もWeb-EDIは一定のニーズがあると同社では予想しており、小川氏は「ACMS製品の有機的連携で、業務効率のさらなる向上をめざしたい」と意気込みを示した。

構成図
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