Case Study導入事例

田村駒株式会社田村駒株式会社

商社・卸ACMS B2BPDF

レガシーシステムのリプレースに伴い、EDIシステムも刷新
取引企業とのスピーディーな連携を「ACMS B2Bで実現」

  • 繊維など服飾素材の企画・加工・卸などの事業展開を行う田村駒株式会社(以下、田村駒)では、メインフレームで構築していたレガシーシステムの全面リプレースに伴い、EDIシステムの再構築を行った。メインフレームでの環境をオープン系システムに入れ替えることを目的とし、公衆・INS回線による伝送は引き継いでいるものの、インターネット網を活用したEDIシステムも視野に入れたシステム構成としている。取引先とのスピーディーな連携を実現し、マーケットニーズに合わせた展開を加速させる同社に話を聞いた。

市場ニーズにいち早く応えるクイックレスポンスがカギ

大阪市・中央区に本社を構える、田村駒。1894(明治27)年に創業し、1918(大正7)年に設立した同社は、これまで繊維ビジネスに関するさまざまな事業展開を行ってきた。同社の特長である卓越した意匠能力と最新のトレンド情報を融合させることで、独自の付加価値を創造し、現在では「企画提案型商社」として知られるまでになった。市場ニーズに応えてブラウス・スカート・タウンスーツなどの軽衣料から重衣料に至るまで、多彩な製品群を揃え、小売店、専門店、量販店などでビジネス展開をしている。また、寝装・寝具、リビング製品といった生活空間を創造する商品や非衣料・繊維工業資材分野にも進出し、一世紀にわたって蓄積してきたノウハウを最大限に生かした事業展開を行っている。

田村駒では、激動する歴史の中で絶えず変化し続けるニーズを的確にとらえ、マーケットを視野に入れた提案を続けている。また、クイックレスポンスがカギを握るアパレル業界において、「求められている商品が求められている価格で求められている時に手に入る」ということを重視し、国内外での素材調達、差別化素材企画力の強化を図り、企画から納品までの一貫したマネジメントサービスを提供している。そのため、数多くのメーカーや営業倉庫、販売先など、取引先も幅広い。

引き継ぎをかねたシステムのリプレースを実施

田村駒にとって、これらの取引先との業務効率化は、重要なポイントとなっている。そのため、メインフレームによる基幹システムをいち早く導入し、外部とのデータ交換にも利用してきた。しかし、現在メインフレームによるシステムはハードウェア、ソフトウェア共に陳腐化し、オープン系のシステムへの移行が進んでいる。

「現行のメインフレームをダウンサイジングし、オープン系のシステムに入れ替えるタイミングを図っていました。時代の流れからいっても、メインフレームからオープン系へのシステム移行は必須です」と語るのは、田村駒 情報企画部 システム企画課 OFFICER 野原 治人氏。

COBOLで作られたレガシーシステムは、システムを設計した担当者の「頭の中」にしか仕様書がない場合も少なくない。システムを構築してきた団塊の世代が退職したら、誰にもメンテナンスができないという深刻なケースも出てくる。

「我々団塊の世代が退職してしまったら、システムのメンテナンスも困難になります。そのため、引き継ぎをかねて、新しい仕掛けで組み直そうという考えもありました。このタイミングでの切り替えは、そういう狙いもあります」と語るのは、田村駒 情報企画部 システム運用課 綿田 泰雄氏。

サポートも重要な選定基準に

メインフレームの入れ替えに伴い、外部データ交換を受け持つEDIでも新しいシステムを導入することとなった。このシステムに採用されたのが、DALのB2Bサーバ「ACMS B2B」である。選定時に重視されたのは、基幹システムとの容易な連携が可能なことやさまざまな通信プロトコルに対応していることと、AnyTranによって容易にデータ変換が実現できることが挙げられる。

また、株式会社日立情報システムズ(以下、日立情報システムズ)のフォロー体制の充実も、選定に影響したという。「こういったシステム導入時に、導入実績や“詳しい人”がいるかどうかは、重要だと考えています。日立情報システムズのバックアップがあるという信頼は大きいですね。実際、運用テスト中にも、パラメータの設定などでお世話になりました」(綿田氏)。

同社のEDIシステムは、メーカー系11社、メーカー以外72社、合計83社とのオンラインデータ交換がある。これらのデータは、基幹システムに直結し、売上業務の自動計上、売掛・買掛明細の自動照合および請求・支払に活用されている。

「接続形態やデータフォーマットの違いは、ACMS側で対応できます。これは、短期開発を実現する上で大きなメリットになります。

また、自社での運用実績や非常に多くの導入実績もあり、自信を持ってお勧めできました」と語るのは、日立情報システムズ 関西支社 企業システム本部 第一設計部 山本 和也氏。

田村駒の場合、AnyTranでのデータ変換の定義はメーカー系160本、メーカー以外130本にもわたっている。これだけの定義を数人で短期間に作り上げたと言うから驚きだ。

「AnyTranは、非常に生産性の高いツールです。開発というよりも絵を描いているような感覚で定義ができ、コーディングミスがないのも特長的です。また、仕様書のないCOBOLのソースコードを読み込ませ、フォーマットの定義も容易に行えました。手組みでは、これだけの短期間に開発はできませんね。このツールのおかげで、本当に“楽”ができました」(綿田氏)。

構成図

今後の業界全体の展開も視野に入れたEDIシステムに

「現在、さまざまな業界で取引基盤の標準化作りが進められていますが、繊維業界においては、現時点で標準化された取引基盤がありません。そのため、取引先ごとにEDIシステムを用意し、運用しています。今後はこういった状況も改善されると思いますが、その時にはWebなどのインターネット網をつかったEDIシステムも必要になると思い、拡張性の高いACMS B2Bを選定しました」(野原氏)。

繊維業界は同じ商品でも色・サイズなどの違いもあり、またサプライチェーンも長くなる傾向がある。EDIの標準化が困難なため、他の業界よりも対応が遅れているという現状がある。

今回は、従来のメインフレーム環境の入れ替えが主体だったため、公衆・INS回線によるJCA・全銀手順の伝送はそのまま引き継いでいる。しかし、伝送時間がかかるという課題もあり、安価な高速ブロードバンド回線を活用したインターネット網を活用したオンライン伝送へ移行していきたいとしている。

また、ACMSを導入したことで、今まで以上に早いレスポンスも可能となった。これにより、市場の急速な変化に対応すべく、取引先の要望に迅速に応える下地も実現したこととなる。

インタビューの最後に野原氏は次のように語った。「ACMSのおかげで、遅延なく新システムに切り替えでき、管理・運用も容易となりました。これからノウハウを蓄積していけば、より密度の高い情報の連携も可能となるでしょう。ACMSに、大いに期待しています」。

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