Case Study導入事例

住友商事株式会社 金属事業部門住友商事株式会社 金属事業部門

商社・卸ACMS B2BPDF

鉄鋼業界共通EDIシステムと社内システムとの
リアルタイムな情報連携を「ACMS B2B」で実現

  • 総合商社大手の住友商事株式会社(以下住友商事)金属事業部門では、海外顧客からの注文を取り次ぐ引合システム・新基幹システム・鉄鋼メーカー発注共通EDIシステム間の連携を可能にする「金属EDIシステム」を稼働させた。同社では「SAP R/3」などによる全社情報システムの刷新を行ったが、この新しい環境においても以前と同様のシームレスな連携を実現するのが狙いである。「金属EDIシステム」の中核には「ACMS B2B」を採用。3システム間のリアルタイムな情報連携を実現すると同時に、開発・運用コストの削減にも役立てている。

基幹システムの再構築に伴い周辺システムとの連携が課題に

スピードが要求される現代のビジネスにおいては、ITの活用が重要な意味を持つ。日本を代表する商社である住友商事でも、1999年より情報システムの全社的な刷新プロジェクトに着手。従来はメインフレーム中心で構築されていた基幹システムも、UNIXサーバ+「SAP R/3」による再構築を行った。

こうした動きは、鉄鋼・鋼管・非鉄金属製品の販売/加工を手がける金属事業部門のIT環境にも、大きな変化をもたらすこととなった。住友商事 金属総括部 次長 IT総括チーム長 権平 高彦氏は、その経緯を「以前はお客様からの引合や鉄鋼メーカーへの発注、成約以降の社内処理などを、すべて一つのシステムで処理していました。しかし基幹システムの再構築に伴い、これらのプロセスを単一システムで処理することができなくなったのです。新基幹システムに足りない機能を、どのように補うかが課題となりました」と振り返る。

当初は不足している機能をR/3のアドオンで補うことも検討されたが、コストや期間などの面で実現には至らなかった。ただし鉄鋼メーカーとの取引については、新たな解決の道が開かれた。大手総合商社6社が一緒になって、鉄鋼メーカーとの発注共通EDIシステムを構築・運用することになったのである。

「鉄鋼製品の受発注システムは非常に大規模なため、一社で開発するのはかなり大変です。しかし共同開発すれば、負担を大幅に軽減することができます。ただ顧客企業との取引に用いられる引合システムについては、各社個別の事情があるため、オープンシステムによる独自開発を行うことにしました」と権平氏は続ける。

システム間の連携基盤に「ACMS B2B」を採用

もっともこれで全ての問題が解決したわけではなかった。新基幹システム・新引合システム・鉄鋼メーカー発注共通EDIシステムという、3つの新たなシステムが出来上がったため、これらを連携させるシステムも必要になったのだ。「一つのシステムが三つに分かれたからと言って、情報連携のスピードが以前より遅くなることは許されません。タイムリーな事業展開を推進していくためには、三つのシステムをシームレスにつなぐ連携基盤が不可欠でした」(権平氏)

この新たな連携基盤である「金属EDIシステム」の構築を手がけたのが、SCS・ITマネジメント株式会社(以下SCS・ITマネジメント)である。住友商事の関連企業である同社は、住友商事及びグループ企業へのシステム構築・開発で培ったノウハウを生かし、幅広い業界にITマネジメントサービスを提供している。

SCS・ITマネジメント APマネジメント第五部 課長 秋葉 敏雄氏は、金属EDIシステム構築上の課題を次のように語る。「情報のやりとりをリアルタイムに行うために、鉄鋼メーカー発注共通EDIシステムとの連携には『WebSphere MQ』(以下MQ)とXMLを採用するとの方針が立てられました。しかし当時はMQを使ったシステム構築の経験がなく、また構築期間も限られていました。こうした中で完成度の高いシステムを実現する必要があったのです」(秋葉氏)

そこで目を付けたのがDALのB2Bサーバ「ACMS B2B」である。SCS・ITマネジメント APマネジメント第一部 主任 江頭 顕氏は「ACMS B2Bのオプションである『MQアダプタ』を利用すれば、MQとのインターフェイスを意識することなくアプリケーション開発が行えます。これは我々にとって大きなメリットでした」と語る。

構成図

高度な信頼性を備えた環境をスピーディかつ低コストに実現

ACMS B2BとMQアダプタを採用したことで、開発作業は順調に進行。2004年4月に無事カットオーバーを果たした。これにより懸案であった引合システム・基幹システム・鉄鋼メーカー発注共通EDIシステム間のシームレス連携が実現したのである。金属EDIシステムは主に受発注情報のやりとりを担当するが、請求系の情報は住友商事の全社共通EDIシステムである「SBGS」(Summit B2B Gateway System)を経由するため、ACMS B2Bを利用してこちらとの連携も行われている。

秋葉氏はACMS B2Bを採用した効果について、「取引情報を中継する重要なシステムですから、非常に高度な信頼性・可用性が要求されます。もしこの部分が止まってしまうと、業務全体が止まってしまうことになりますから。しかしACMS B2Bは大量のデータを確実に処理してくれており、本稼働以来トラブルはまったくありません」と力強く語る。

また性能・信頼性に加えて、コスト面でも大きな効果があった。「技術的には中継部分を手作りすることもできましたが、それでは開発コストが増えてしまう上、後々のメンテナンス費用もかさんでしまいます。その点ACMS B2Bを利用したことで、システムコストは大幅に低減。将来の環境変化にも、容易に対応できるようになりました」と江頭氏は語る。当該部分を手作りし、メンテナンスし続ける場合と比較すれば、1/10程度のコストで済んでいるはずだという。

アプリケーション連携にもACMS B2Bの機能をフル活用

ACMS B2Bの機能に対する評価も高い。「ACMS B2Bにはジョブ管理の機能なども備わっていますので、別々の製品を組み合わせてシステムを構築する必要がない。これも非常にありがたかったですね。今回のシステムも、ほとんど標準機能だけでカバーできています」と語る秋葉氏。江頭氏も「アプリケーション連携についても、まとめてバッチ的に処理するパターンや、常駐型のインターフェイスを利用してスピーディに行うパターンなど、複数の方法が選べます。ACMS B2Bはいろいろと工夫を凝らせる要素があるので、柔軟にシステムを構築できますね。またDALの充実したサポート体制にも、大いに満足しています」と続ける。

今回のシステムは海外顧客を対象としているが、住友商事では今後国内顧客向けのシステムも構築する予定だ。そこでもACMS B2Bが活用されることになる。権平氏は今後の意気込みを「ビジネス環境がグローバルかつダイナミックに変化する中、お客様やメーカーとのより密接な情報連携が求められています。今後も営業の最前線のニーズに応えられるシステム環境を実現していきたい。ACMS B2Bにも、大いに期待しています」と語った。

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