2020年 新年のご挨拶「さらなる変革へアクセルを踏む」

2020年が明けました。謹んで初春のお慶びを申し上げます。旧年中はデータ・アプリケーションに格別のご厚情を賜り、心から御礼申し上げます。

2017年10月にNTT東西より固定電話のIP網移行に関する発表がされてから丸2年が経過しました。4年後の2024年1月にはIP網への切り替えがいよいよ始まります。その一方、インターネットEDIをめぐる産業界の動きはというと、いまだ緩やかで昨年もさほど大きな動きはありませんでした。私見ですが、取引先の出方を見極めてから動き始めようと、多くの企業が投資の”様子見”に入られたように思われます。確かに、EDIというのは取引先と歩幅を合わせて前に進むことが重要で、単独で動くと投資のムダが生じるリスクがあります。しかし、オリンピックイヤーを含むこの先の貴重な数年を、停滞のうちに過ごすのは日本経済の未来を考えると望ましくはありません。当社としても、どのような施策を提供すれば決断を下し、動いていただけるものなのか、今年は真剣に考える必要があります。

2019年3月、当社は2019~2021 年度を対象とした中期経営計画をスタートさせました。その中で明確に打ち出した戦略の一つに、データ・インテグレーションマーケットへの事業拡大があります。これは、企業間のデータをやり取りするEDIだけでなく、企業内にある様々なシステム間や企業とクラウドをつなぐなど、企業を中心に様々なデータを連携し戦略的なデータ活用を行う業務です。当社にとっては新規事業で、うまく軌道に乗せるためには水先案内人が必要と、アライアンスの推進を目標に掲げましたが、昨年さっそく最初のアライアンスケースが誕生しました。このパートナーにデータ・インテグレーションの現状を尋ねると、ツールもあまり使わずに手間のかかる運用をされている企業の多いことがわかってきました。データ・インテグレーション分野は競争が激しいかもしれませんが、当社には勝算があります。EDIで培った信頼性の高いデータ通信機能・データ管理機能やプロセス自動化機能などを強みとして、深刻な人材不足時代、エンジニアの方々がより付加価値の高い仕事に時間を割けるよう支援していきたいと考えています。

「所有から利用への顧客価値の変化に対応し、ストック型の安定収益拡大を目指す」
これも中期経営計画で掲げた重要な基本方針です。2022年3月に、総売上に占めるストック型売上高比率65%以上を達成することを目標に据えました。これを受け、昨年はデータ連携/EDI基盤「ACMSシリーズ」、データ ハンドリング プラットフォーム「RACCOON」、EDIトランスレータ「AnyTran」のサブスクリプションモデルの販売を開始しました。「所有から利用へ」はもはや時代の流れであり、イニシャルコストを軽減し、維持・運用コストでシステムを賄えるメリットは、パートナー企業からも好評をいただいています。このようにライセンス体系の選択肢を広げることで、お客様およびパートナー企業が当社製品を利用しやすい環境を今後も整備していきます。

今回の中期経営計画では、ビジョンメッセージとして「変革への挑戦」を掲げました。これはまさに、データ・インテグレーションという新市場へ本格進出することを意味しています。市場規模が480億円と大きく、EDIとの親和性も高いことから、この分野を選択しました。また、同時にお客様にも多大なメリットをご享受いただける分野です。当社が支援させていただくことにより社内業務改革が進み、企業のデジタルトランスフォーメーションが大きく促進します。当社は「データと一緒にワクワクする未来」に向かって、お客様とともに歩んでいきます。

今年2月、当社は社屋を移転します。移転先は、同1月「アーティゾン美術館」と名称変更する東京・京橋ブリヂストン美術館上階の新しいオフィスビル。新築のため最新のセキュリティシステムやBCP設備が備わっているのですが、何より気に入っているのは、この移転で全従業員がワンフロアで顔を合わせて仕事ができるようになることです。従業員が満足度高く働けてこそ、お客様にも高い満足度をお届けできると考え、オフィスレイアウトにも創造性や集中力が高まるような工夫を随所に凝らしました。東京駅からも徒歩圏内です。ぜひ皆様もお気軽にお訪ねください。社屋移転を機に、今年はさらに新しい市場、新しいアライアンス、新しいビジネスモデルへ進んでいきたいと考えています。

末筆になりましたが、今年一年の皆様のご健勝とご多幸をお祈り申し上げます。何卒、今年もご指導ご鞭撻のほどよろしくお願い申し上げます。

株式会社データ・アプリケーション
代表取締役社長執行役員 武田好修
武田好修