まず藤岡氏はe-コマースの推進に積極的な欧米および日本企業の先進事例を紹介、なによりも企業のポリシーを反映した戦略が重要と訴求されました。また、XML/EDIについては標準化の概論とともにXML/EDIを採用したロゼッタネット、Chem eStandardにおける標準策定をご自身の関わりを交えて詳しく解説していただきました。e-ビジネスにおいて重要なことは、愚直なまでのCRMの徹底と標準化による企業の枠を超えた情報共有、XMLの活用でデータの一元管理、多目的活用に取り組むなどスピードとチャレンジ精神に満ちた経営、と強く訴えかけておられたのが印象的でした。
続いて登場したのは弊社ACMS統括本部マーケティング部上級コンサルタント 藤野裕司です。「流通次世代EDI!! その実態と導入のポイント」と題し、主催セッションの一環として話をさせていただきました。流通次世代EDIとは現在あるさまざまなEDIの抱える課題を解決するものであると藤野はまず語り、その導入が流通業界においてどのような段階まで来ているかを、注目されている次世代EDIプロトコルとともに紹介しました。また次世代EDIを導入するために必要な準備や実現のために考慮すべきポイントを企業規模別に詳しく解説。EDI製品の選択は備えるプロトコルの豊富さ、セキュリティの高さ、可用性、耐久性、システム統合を可能にする拡張性などが基準であることを訴えました。
すでに取り組みが始まっている流通業界
休憩をはさんでセミナー後半は、すでに弊社ACMSを採用し、次世代EDIに取り組んでおられる流通業界のお客様企業2社に現場からのレポートとしてお話しいただきました。
トップバッターは、株式会社菱食 経営・システム本部システム統括部長 理事 稲垣登志男氏です。講演のタイトルは「中間流通業界における次世代電子商取引への取り組みと標準化推進〜次世代標準EDIの実装について〜」。
稲垣氏は、業界全般での電子商取引における標準化推進状況に続いて、同社の次世代EDIへの取り組みを披露。2社の小売業さまとの間ですでに実証・実装段階に入っており、今は発注から出荷、請求から支払いなどのサイクルを試す第三フェーズに突入、今後状況を見ながら春ごろには本番移行の予定であることを発表されました。
中間流通業にとって、次世代EDIの推進は現在取り引きある業界以外に進出できるチャンスをもたらすというメリットがある反面、対応できなければ即排除される危険性があり、各段階の流通事業者がルールを守るという大前提が必要で、メンテナンス業務も負荷がかかる。だが、うまく機能すればコスト削減やビジネスモデルの転換が実現できるという魅力があると主張されました。
同社はEDIの実現に株式会社サイバーリンクスのASPによる次世代EDIセンターを利用されているのですが、同社リテイルネットワーク事業部データセンタ部長 水間乙允氏は、このサービスにデータアプリケーションのACMSを採用した理由として、マルチプロトコルを備え、大規模から中小規模まで柔軟性高く対応でき、国内での採用実績も高いことを挙げてくださいました。
続いてご登壇いただいたのは、生鮮青果業界において次世代EDIの導入を推進しておられるイーサポートリンク株式会社 取締役 次世代生鮮MDプロジェクト プロジェクトマネージャー 森田和彦氏でした。
「生鮮青果流通をめぐる課題とESIの次世代EDIへの取り組み」と題した講演では、余裕のない生産者の生活、難しい計画生産、需要と供給のミスマッチ、新法令の施行に基づく流通環境の変化など、生鮮青果をとりまく環境が厳しいものであることが森田氏により披露され、個々の流通関連事業者が生鮮青果流通システムを構築することの困難さが明らかになりました。
こうした中、食品の流通構造を改革しながら、生産者の収入増と消費生活者に安価で安全な食品を提供できるよう生鮮青果流通システムのオンデマンドサービスを展開しているのが同社です。森田氏は、このEDIシステムにXML/EDIを採用した理由として経済産業省の勧める次世代標準EDIに準拠していこと、またEDIアプリケーションとしてACMSを採用した理由として、XMLの豊富な導入実績、マルチプロトコル対応、ミドルウェア非依存、親身なサポート体制などを紹介してくださいました。
課題はあるが大切なのは前進すること
セミナーの掉尾を飾るのは、次世代EDIに造詣が深いパネリストをお招きしてのパネルディスカッションです。テーマは「次世代EDIについて〜その動向と現実解を悟る〜」。EDI推進協議会 EDI推進部会長/情報共有化技術推進WG主査/ロジックコンサルティング代表 大久保秀典氏、次世代電子商取引推進協議会 主席研究員 若泉和彦氏、サンスター株式会社 営業本部 営業企画室マネージャー 小林洋氏、株式会社菱食 経営・システム本部 システム統括部長 理事 稲垣登志男氏という4名にご登場いただき、弊社藤野をモデレータに、忌憚のない意見交換が行われました。
実際の討論では、若泉氏が次世代EDIの標準化はまだ策定が継続中だが、とにかく今やれることに取り組むことが大事と語る一方で、大久保氏はEDI推進協議会での取り組みは一定の成果を得たとしながらも、今後さらなる普及活動が必要と発言。実際のEDI推進企業である菱食の稲垣氏は今は流通大手が中心となって進めているが、中小規模の流通業が容易に導入できる仕組みを考えないと頓挫する、実装検証に参加しているサンスターの小林氏も本番移行までには解決すべき課題がいくつかあると、臨場感に満ちた重要な提言がありました。 |