データ活用・データ連携のお役立ちコラム

“脱Excel論”に異議あり!Excel業務改善・Excel業務システム化のススメ

最終更新日:2023/08/31 “脱Excel論”に異議あり!Excel業務改善・Excel業務システム化のススメ

企業のさまざまな業務で活用されているExcel。便利で使いやすいツールである一方で、非効率な部分も多いなどその弊害も聞かれます。そのため、セルフサービスBIツールなどの登場とともに“脱Excel”というキーワードもよく見かけるようになりました。とはいえ、使い慣れたExcelを手放すという判断は難しいのも事実でしょう。そもそも“脱Excel”は本当に必要なのでしょうか?Excelを使い続けたまま、業務を改善する方法はないのかを考えます。

INDEX

  1. なぜExcelはここまで普及しているのか?
  2. Excelが抱える課題を3つの視点から整理する
  3. “脱Excel”するしかない…は間違い
  4. Excel業務を「どこまで自動化するか」がカギ

なぜExcelはここまで普及しているのか?

Excelを使っていない、という企業はほぼないでしょう。企業の中でも特に、システム化が進んでいない業務や、システム化しにくい業務で多く使われています。また、システム化が進んでいても業務の実態とあわず、ギャップを埋めるためにExcelを使っている、という話もよく聞かれます。
これほどにExcelが活用されている理由は、なんといっても「使い勝手のよさ」。基本的なOfficeソフトの1つとして安価に導入でき、誰もが使い慣れているツールはほかにないでしょう。しかも、設計・作成・メンテナンスが容易で、データの二次利用も簡単…と“使わない手はない”のです。
ところが、こういったExcelのメリットといえる部分が、逆に非効率な作業や、無駄な作業につながっていることも少なくありません。

Excelが抱える課題を3つの視点から整理する

Excel業務の“非効率さ”に心当たりがある方も多いのではないでしょうか?「月末に各取引先からの請求書をExcelにまとめて集計するのに、かなりの手間をかけている」「システムの売上データをベースにした売上分析のExcelファイルを、色々な部署でバラバラに作成している」といった光景は多くの企業で見られます。月次、週次の非効率な作業や、類似したExcelファイルを複数人で作成している、といった無駄が発生しているのです。
ここではExcelの課題について、ユーザ、情報システム部門、経営者の3つの視点から整理します。

ユーザ視点の課題


  • 販売実績などシステムの数字をExcelに手作業でコピーしており、レポート作成に時間がかかるうえに入力ミスにもつながる
  • 支店ごとに異なる予算案や販売実績などの書類、取引先ごとに異なる請求書や注文書など、多種多様なフォーマットの書類を共通のExcelフォーマットにまとめなければならず、多大な労力がかかっている
  • 業務にあわせて関数の利用やマクロなど、作りこまれたExcelがあり、少しの変更でも特定の人しか対応できない

取引先 / 支店ごとに違うフォーマットのExcelを収集、社内フォーマットへの統合作業

情報システム部門視点の課題


  • Excelでの繰り返し操作や一連の手順がきまっている場合、マクロ作成などを依頼され手間がかかる
  • 似たようなExcel作成を何度も頼まれるが、毎回少しずつ内容が違ううえ、以前のファイルの仕様が不明確で転用できない
  • Excel業務のシステム化・効率化について相談を受けるものの、システム改修は影響範囲が大きく難しい

システム化が困難なExcelファイルへのユーザ対応

経営者視点の課題


  • 経営会議や営業会議で使う資料で、実は「類似したExcelのレポートが別々の部署で作成されていた」など、レポート作成の無駄を削減し、長時間労働削減につなげたい
  • 手作業でレポートを作成するため、直近のデータなど欲しい情報を、必要な時に確認できない
  • Excelに転記する際の入力ミスは判断ミスを起こしかねないリスク。各種レポートの信頼性を向上させたい

各種報告書作成にかかる工数とリスク

“脱Excel”するしかない…は間違い

こういった課題を解決する方法の1つが“脱Excel”です。これはBIツールを導入し、Excelを使った業務をすべて移行しようというもの。ユーザ自身で簡単にレポートを作成できるセルフサービス型のツールには、Excelを使わずにBIツールですべて完結できるとうたう製品もあります。しかし当然ですが、システム導入には手間とコストがかかるうえ、ユーザにもイチからツールの使い方を教育しなければなりません。
BIツールを入れても必ず現場に定着するとは限らず、せっかく入れたツールが使われないままExcelが使い続けられていたともなりかねません。非効率な作業や入力ミスなどのリスクを考慮しても、すでに使い慣れているExcelのメリットのほうが大きいという判断もあるでしょう。単純に「Excelをほかのツールに置き換えればいい」というわけにはいかないのです。

Excel業務を「どこまで自動化するか」がカギ

では、Excelのメリットを活かしたまま、業務を改善するにはどうすればいいのでしょうか?カギを握るのは「自動化」です。ただし、なんでもかんでも自動化しようとすると、大掛かりなシステムが必要になり、ユーザの抵抗感も大きくなります。まずは、「システムやほかのExcelからのデータ入力」と「基本的なデータ加工」の自動化からはじめることをお勧めします。例えば、商品別の売上集計/分析を行うのであれば、販売管理システムから必要なデータをExcelに入力する部分を自動化。その後の分析やレポートの体裁(見た目)を整える部分は、その都度細かな調整が必要ですし、従来どおりの手作業で行ったほうが効率的です。Excelを使った業務の中でも特に面倒なデータ入力が不要になることで、ユーザも楽になり、内容の正確性・信頼性を向上できることで、かなりの効果が期待できます。

具体的に自動化を実現する方法ですが、Excelのマクロや特にVBAはプログラミング知識が必要なため属人化しがちです。また、仕様書はなくソースコードを解析するしかないケースも多く、メンテナンスの手間もかかります。そこでお勧めしたいのが、豊富な機能を持ちながら、価格もリーズナブルと“いいとこどり”なデータ ハンドリング プラットフォーム「RACCOON」です。複雑なExcelフォーマットに対応できるため、フォーマットの異なる請求書や注文書などの帳票も元データとして扱うことができます。また、レイアウトや紙への印刷ばかり優先し、IT化を妨げる悪習の代表とされる「ネ申Excel」「Excel方眼紙」と呼ばれる類のExcelからもデータを抽出することが可能です。
詳しい機能は製品サイトで紹介しています。

データ ハンドリング プラットフォーム「RACCOON」の詳しい機能はこちら >>>

この記事の執筆者

データ連携EDIETL

データ・アプリケーション
データ活用研究チーム

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経歴・実績
株式会社データ・アプリケーションは、日本を代表するEDIソフトウェアメーカーです。設立は1982年、以来EDIのリーディングカンパニーとして、企業間の取引を円滑に効率化するソリューションを提供しています。1991年からは日本の標準EDIの開発やSCM普及にも携わっており、日本のEDI/SCM発展に寄与してきました。
現在は、EDI/SCM分野のみならず、企業が所有しているデータの活用についてもビジネススコープを広げています。ハブとなるデータ基盤提供を始めとして、さまざまな角度から幅広く研究・分析を行っており、その提言を通じて日本企業のDX推進を後押ししています。

  • 明石市役所

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