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デジタルトランスフォーメーションとは?事例とDXにより企業が実現できることを解説

最終更新日:2023/08/31 デジタルトランスフォーメーションとは?事例とDXにより企業が実現できることを解説

2016年頃より世界中の企業が注目し、必要不可欠な戦略として検討や導入が進む「デジタルトランスフォーメーション」。しかし、概念的な説明が多いため、一般の企業にとって、何をどう進めれば良いかわかりづらい状況です。そこで今回のコラムでは、デジタルトランスフォーメーションの基本的な解説に加えて、具体的な事例を交えながら、どのような効果が期待できるかをご説明します。

INDEX

  1. デジタルトランスフォーメーションとは?
  2. デジタルトランスフォーメーションで実現できること
  3. デジタルトランスフォーメーションの事例
  4. デジタルトランスフォーメーション実現のカギを握るデータ基盤

デジタルトランスフォーメーションとは?

デジタルトランスフォーメーションとは、「クラウド」「ビッグデータ/アナリティクス」「モビリティ」「ソーシャル」といったデジタルテクノロジーを活用して、商品やサービスを顧客の理解や満足度に基づいて改革し、より高い付加価値を顧客に提供するビジネスモデルを生み出し、競争優位性を確立することです。最近では、IoT(Internet of Things)人工知能、ロボティクス、AR(Augmented Reality:拡張現実)などを活用した、より先進的なデジタルトランスフォーメーションが行われています。

デジタルトランスフォーメーション

では、デジタルトランスフォーメーションによって企業は何を実現できるのでしょうか?

デジタルトランスフォーメーションで実現できること

デジタルトランスフォーメーションを推進することで、企業は次のようなことを実現できます。

マーケティングの高度化

例えば、POS(Point of sale system:販売時点管理)や会員カードの行動データ、ソーシャメディアの口コミ情報、製品に内蔵されたセンサが発信する情報などを利用して、従来とは比較にならないほど詳細かつ大量の顧客情報を入手することが可能となります。これらの情報を活用すれば、企業は顧客の気持ちや価値観を反映した効果的なマーケティングが行えるようになるでしょう。

業務の効率化

IoTの進化により、従来のパソコンだけでなく、製造現場の設備機器類がネットワークに接続しはじめています。そして、ネットワークを介して得られる機器類のデータを活用すれば、障害が発生した場合もより迅速な原因特定と復旧が行えます。さらに、収集したデータを分析することで、障害発生の前に予防的な措置を講じることも可能となっています。

新たなビジネスの創出

購入履歴に合わせてお薦めの商品を教えてくれるECサイト。Web上で誰でも簡単に民泊することができる宿泊施設予約サービス。このような身近なサービスが、デジタルトランスフォーメーションによる新たなビジネスとして創出されています。そして、IoTや人工知能といった先端技術を活用した次項のようなビジネスも次々と生まれています。

デジタルトランスフォーメーションの事例

スマホでタクシー配車が行えるサービス

デジタルトランスフォーメーションによるビジネス事例としては、米国発のタクシー配車サービスがよく取り上げられます。このサービスでは、スマートフォンというデジタルテクノロジーを活用した配車を可能にしています。さらに、タクシー業者だけではなく一般の人々が自家用車を使ってサービスを提供することもできます。決済も含めてすべての手続きをスマートフォン上で完結することができるため、従来のタクシーサービスを大きくしのぐ利便性を生み出しています。

運転特性によって保険料の変動するテレマティクス保険

自動車とセンサ技術、通信システムなどを組み合わせ、走行距離やアクセル・ブレーキの使い方などの運転特性をリアルタイムに収集し、分析して保険料を算出するテレマティクス保険も、デジタルトランスフォーメーションの事例として注目されています。安全に運転すれば保険料が安くなること、そして安全運転への意識が高まることなどにより日本でも導入が進んでいます。

音声対話機能や学習機能を搭載した最新家電

最近では、家電メーカーやIT企業が中心となって人工知能を搭載した家電の開発が積極的に行われています。既に、大手家電メーカーの中には音声対話機能を搭載した冷蔵庫を市販しています。この冷蔵庫では、冷蔵庫内の食品名を事前に登録しておくことで、消費期限切れが近いことを音声で知らせてくれます。そのほかにも、米国などで開催されている大規模な見本市では人工知能やIoT技術を駆使した最新の家電が発表されています。例えば、海外の大手電子機器メーカーは、ユーザが話しかけることでさまざまな家電を操作できる人工知能を活用した家庭用ロボットを発表しています。このように、デジタルトランスフォーメーションは既にさまざまな形で実現されています。

デジタルトランスフォーメーション実現のカギを握るデータ基盤

モバイルやソーシャル、IoTなどデジタルテクノロジーの利用により、企業は顧客やモノ(機器)に関する今まで以上の種類と量の情報を収集でき、そのデータを分析・活用することで顧客理解に基づく新商品や新サービスが実現できます。しかし、これらの膨大かつ多種多様なデータは複数のシステムに異なる形式で蓄積されており、前述のテレマティクス保険のような新しいビジネスの創出には、他社がもつ複数データとの連携が必要になってきます。

テレマティクス保険のシステムイメージ

つまり、データの大容量化と多様化、異なる企業との連携、マルチクラウドに代表される多様な環境などに対応できるデータ基盤が必要不可欠です。さらに、こうした大規模で複雑な環境ではビジネスを止めないためセキュリティと可用性なども非常に重要になってきます。デジタルトランスフォーメーションの実現には、データの分析・活用だけでなく、データの暗号化やバックアップ、BCP対策なども視野に入れたデータ基盤を検討することをお薦めします。

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この記事の執筆者

データ連携EDIETL

データ・アプリケーション
データ活用研究チーム

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経歴・実績
株式会社データ・アプリケーションは、日本を代表するEDIソフトウェアメーカーです。設立は1982年、以来EDIのリーディングカンパニーとして、企業間の取引を円滑に効率化するソリューションを提供しています。1991年からは日本の標準EDIの開発やSCM普及にも携わっており、日本のEDI/SCM発展に寄与してきました。
現在は、EDI/SCM分野のみならず、企業が所有しているデータの活用についてもビジネススコープを広げています。ハブとなるデータ基盤提供を始めとして、さまざまな角度から幅広く研究・分析を行っており、その提言を通じて日本企業のDX推進を後押ししています。


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