Case Study導入事例

株式会社コロンビアスポーツウェアジャパン株式会社コロンビアスポーツウェアジャパン(アパレル)導入事例

アパレルACMS B2B LEPDF PDF

フォーマット違いのデータを自動変換してリポジトリへ
ETLツールの役割も果たせるACMS B2B LE

  • 課題
    取引先の売上データを活用した機敏な販売促進活動を志向
    収集データを迅速かつリーズナブルにフォーマット変換する方法を模索
  • 評価
    ACMS B2B LE上のAnyTran活用によりフォーマット自動変換を実現
    ACMS B2B LEの存在により将来的な流通BMS対応にも大きな余裕

“取引先の売上データを集めて機敏に販促したい”

株式会社コロンビアスポーツウェアジャパンは、米国オレゴン州ポートランドのコロンビア・スポーツウェア・カンパニーのアジアマーケットの一翼を担う日本法人だ。

自社で規定した厳しい品質基準のもと、革新的でスタイリッシュなデザイン、リーズナブルな価格、そして女性実業家として米国で著名な会長自らが出演する広告と、ユニークかつ積極的なマーケティング戦略の導入などで着実に成長を続けており、アウトドア・スポーツウェアマーケットにおいて大きなシェアを誇っている。

日本市場において同社の取引先は、直営店のみならず、百貨店、アウトドアスポーツ・登山用品専門店など多岐にわたる。詳細な売上実績に基づいた機敏な販売促進活動を展開したいと早くから考えていた。直営店はPOSシステムがあるため、売上データの閲覧は困難ではなかったが、当時は取引先から生の業務データを取りこんで分析する仕組みが存在しなかった。

そこで同社はBIツールを新規導入し、そこへ取引先の売上データを収集して売上分析を行うことを決断した。

フォーマット変換機能と価格でACMS B2B LEを選択

手始めに取引先3アカウント分の売上データから収集することになったが、困ったのはデータのフォーマットがアカウントごとにさまざまで、自社のBIツールで思いどおりに見られるようにするにはフォーマット変換の必要があった。そこでソリューションとして浮上したのが、データ・アプリケーションのACMS B2B LEの導入だった。同社のシステムインテグレータであるSCSK株式会社 ITエンジニアリング事業部 ミドルウェアソリューション部 チームリーダー 橋本明氏は次のように語る。
「今回は、ACMS B2B LEにBIソリューションでいうところのETL(Extract/Transform/Load)ツールのような働きを務めてもらおうと考えました。ACMS B2B LEにはデータフォーマット変換機能であるAnyTranが入っていて、ファイルで来る売上データをうまく変換することができます。また、その変換スピードも速い。コロンビアスポーツウェアジャパン様のニーズに合致していると考え、提案しました」

この提案を受けた株式会社 コロンビアスポーツウェアジャパン 管理本部 情報システム課Assistant Manager 長坂悟郎氏は、選定の理由をこう語る。
「売上データを把握したいというのは当社の念願でしたが、まずはスモールスタートということで、それほど予算はかけられませんでした。データベースを購入することになったらそうもいっていられないなと思っていたら、ACMS B2B LEがBIツールと一緒にリーズナブルな価格で提案され、しかも運用に手がかからず、EDI基盤にも使えるというのでいいなと思いました。ソリューションに納得できたので、迷わずこれでいこうと決定しました」

鮮度の高い売上データで社内の動きがいっそう機敏に

2010年10月より3アカウントの売上データをBIツールに格納することを決定し、BIツールでデータを閲覧するため、ユーザ部門にヒアリングしながら要件定義を固めるとともに、ACMS B2BLE上のAnyTranに定義体を作成していった。この業務を担当したSCSK株式会社 ITエンジニアリング事業部 ミドルウェアソリューション部 田澤宏之氏は、当時を次のように振り返る。
「シンプルな売上データ閲覧のみならず、四則計算の入った集計も必要とされたため、15種類ぐらい定義体を作成することになりました。しかし、AnyTranは画面をみながらビジュアルかつ迅速に開発できるため、特に時間がかかるようなことはありませんでした」

2011年に入って、社内でデータ・コレクト・ソリューションと呼ばれるこの仕組みが本格的に始動。アカウント追加もこの年に2回行われ、現在は10アカウントとなった。これで同社全売上の7割がカバーされているという。

売上データは、毎週一回取引先からファイルで送信されてくる。そのボリュームは100数十万件に上るが、これをAnyTranでフォーマット変換して後BIツールに格納。一度主管部門でデータの内容をチェックしたら、社内公開という流れになる。データを閲覧しているのは営業担当者、マーチャンダイザー、経営幹部、米国本社とさまざまだが、データを見てただちに次の施策を考えるという点は同様といえる。たとえば営業担当者は、営業成績のいい店舗、思わしくない店舗、売上のいい商品、そうでない商品を迅速に抽出し、さらなる売上向上策、てこ入れ策を考えるといった具合だ。
「この仕組みを入れたことで、鮮度の高いデータが全国規模かつ定期的に閲覧できるようになり、社内全体で機敏な動きができるようになりました。AnyTranに関しては、評判どおり変換も速いし、日々の運用はまったく手がかからないというのが印象ですね」こう長坂氏は語る。これを補足して橋本氏は次のように語る。
「AnyTranはアカウントが次々追加されても、簡単に運用に乗せられるからいいですね。取引先様もデータを提供するからはフィードバックを期待されると思うんですが、そこで構築に1ヶ月も2ヶ月もかかったら拍子抜けされるでしょう。提供されたデータをすぐに活用できるように持っていけるのはこのツールのおかげです」

現在、ACMS B2B LEは、AnyTranを中心に活用されているが、今後はEDI基盤としても位置づけていきたいと長坂氏は考えている。これまでアウトドアブランドのイメージが強かったが、近年ファッション性の高い商品の展開にも力を入れており、それにつれて取引先の幅も広がっている。そうした顧客はすでに流通BMSを導入しているところも多いが、すでにACMS B2B LEを備えているため、追加のシステム構築を行うことなく、いつでも対応することができる。長坂氏は期待をこめて次のように語る。
「ACMS B2B LEがなければ、顧客ごとの対応を迫られたかもしれず、それは莫大なIT投資にふくれ上がったかもしれません。しかし、当社にはすでにコモディティのPCサーバで動く、非常にコストパフォーマンスの高いEDI基盤が存在します。これを活用することで、流通BMSで送られてきたデータを基幹システムに取りこんだり、サイズやカラーなど商品の属性データを使ってさらに詳細な売上管理をしたり、日次でデータ更新したりと、さまざまな展開が可能になると考えています」

小さく生んでも大きく育つEDIソリューション。それがACMS B2B LEだ。

構成図
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