Case Study導入事例

鴻池運輸株式会社鴻池運輸株式会社

運輸・倉庫ACMS E2XAnyTranインタビュー動画PDF

海外対応も視野に入れたシステム基盤の大刷新
EDI機能の実現に貢献したACMS E2XとAnyTran

  • 課題
    オフコンの通信関連プログラム保守に大きな負荷
    新規取引開始や顧客要望へのより迅速な対応
  • 評価
    ACMS E2Xが生命線といえるEDI通信を強力かつ安定的に維持
    AnyTranによるノンプログラミング・データ連携で開発生産性向上

問題山積だったオフコンベースのシステム基盤

創業は1880年。鴻池運輸は創業者 鴻池忠治郎氏が大阪で開業したのを端緒として、総合運輸業を営んできた。顧客企業の真のパートナーを自任、新しい価値創造をモットーに挑戦を続け、スペシャリスト集団として成長を続けている。

同社では、約200社の取引先との間でロジスティックス・データを送受信している。これまではシステム基盤として40の拠点にオフコンを設置、INS回線を敷設して分散処理を行ってきた。

しかし、拠点増加につれてオフコンベースのシステム基盤はさまざまな問題に直面するようになった。

まず、ロジスティックスプログラムとデータ通信関連プログラムは、オフコンの中で渾然一体化した状態で作りこまれていた。そのため、システム変更が生じると、全プログラムを対象に見直さなければならない。しかも、適用すべきオフコンは40台ある。メンテナンスには、時間、工数、コストいずれも多大なリソースが必要だった。また追加開発であるため、潜在的にプログラム品質低下のリスクを抱えていた。

次に、通信インフラが時代に合わなくなっていた。通信回線のブロードバンド化と低価格化が進み、取引先のネットワーク環境が増強される中、データ受信に苦慮するようになってきた。取引先の環境に合わせてモデムを複数設置する必要があり、またそのモデムでハード障害が発生する。また、回線容量自体も不足ぎみで、営業所によっては2回線を駆使しても、アクセス集中で処理遅延やタイムアウトエラーが生じていた。

2006年、同社はこうした状態を打破すべく、次世代型システム基盤の構築を決定した。同社の経営方針の一つに、「物流イノベーションの担い手として、新しい仕組みの開発などができるよう、変革にチャレンジする社内風土の醸成に努める」というものがある。まさにこれを実践するスタートを切ったのである。

“5社中4社が提案するACMS E2XとAnyTranならまちがいない”

この抜本的なシステム刷新で同社がめざしたのは、あらゆるロジスティックス業務を包含可能なWMS(Warehouse Management System)と、EDI(Electronic Data Interchange)を担う独立的通信基盤の構築である。これを前提に、5社のシステムインテレグレータにシステム提案を募ったところ、4社から通信基盤として名前の挙がったのが、データ・アプリケーションのACMS E2Xだった。ここから“業界標準はACMS E2Xだ”と実感したと、鴻池運輸株式会社 情報システム部(東京) 担当 課長 市村智彦氏は語る。
「単に導入実績が多いというだけではない実力を見た思いでした。これだけのシステムインテグレータが推す製品なら大丈夫だと確信できました」

これに加えて同社は、取引先から受けとった入出荷情報を同社標準伝票仕様に変換するトランスレータとしてAnyTranを採用した。そこには、データ通信関連プログラム構築を標準化、共通化、ノンプログラミング化し、顧客対応を早めようという目的があった。鴻池運輸株式会社 情報システム部(東京) 課長 寺田猛史氏は語る。
「入出荷情報というのは、顧客企業によって表現は違えど内容はほぼ同様です。それをプログラミングに寄らずに変換できるというのが魅力でした。実際、情報システム部門の若手社員もすぐAnyTranを習熟でき、それが別の社員でも簡単にマスターできそうでした。企業としては属人性の低い開発体制を確立する必要がありますが、AnyTranならそれが可能だと思いました」
最終的に実績豊富なワイ・ディ・シーを採用。

目を配る必要もないほど安定稼働、新規顧客対応のリードタイムも短縮

WMSとEDIを両軸に開発された次世代型システム基盤構築は、入念な設計、開発、テストを経て、2009年3月に全面稼働を果たした。1年半を経過した現在、極めて安定的に鴻池運輸のロジスティックス業務を支えている。

システムの刷新は、定量的にも効果を表現できる。代表的なのはTCOの削減。5年間のシステムコストをオフコン時代と比較すると、通信回線の集約、ハードウェア/メンテナンスコストの低減などが効いて、2~3割は安価に抑えられるようになった。ACMS E2Xに関しては、日々の運用に関して何も目を配る必要はないという。
「われわれ物流事業者にとって通信は生命線ともいえるのですが、それを理解しているかのように、異常を検知した際のリトライの仕組みなど、予防措置の行きとどいた設計がすばらしいですね」と、寺田氏は語る。

また、この製品はシステム基盤の拡張にも貢献した。同社は今年、グループ会社で「オープナ」と呼ばれるハンドメイド商品を販売するオンライン・ショッピングサイトをオープンしている。これを機に、受注情報をWeb-EDIで取得し、営業倉庫へ送信する仕組みを付加したのだが、これを実現したのがACMS WebAgentだったのである。

さらに、AnyTran活用により、新規顧客企業との取引開始までのリードタイムが短縮された。これまでデータ連携のプログラミングで1週間はかかっていたのが、AnyTranにより3日になった。しかも、社内開発であるためコストもかからない。実は、AnyTranはEDI部分のみならずWMSでも利用されている。WMSのプログラム内でデータ変換やフォーマット変換が生じる処理はすべてAnyTranで行われており、これにより開発生産性が大きく向上している。

現在、同社は、世界市場への進出を視野に入れ、海外での物流拠点展開に焦点を合わせている。「今後は、米国や欧州で広く採用される標準EDIプロトコル EDIFACTなどにも対応していく必要がありますが、ACMS E2Xであればライセンスを追加するだけで、それがすぐに可能になります。対応可能?と聞かれて、イエスといえる自信ができたことは大きいですね」と市村氏。

今回、通信基盤を中心にシステム開発をリードしたシステムインテグレータ ワイ・ディ・シーSOAソリューション事業本部 SOAソリューション第3部 部長 高田哲也氏はこう語る。
「多岐にわたる取引先とのデータ連携を標準化、共通化することは困難ですが、この案件では作業チームを組織して積極的に取り組んだため、かなり完成度の高いものに仕上がったと思います。ACMS E2X、AnyTran共に、導入実績の豊富さから機能的にこなれていて、推奨できました」

物流イノベーションの担い手となるべく、ロジスティックス・ビジネスの根幹を担うシステム基盤を大刷新、海外進出拡大も秒読み態勢に入った鴻池運輸。重要なEDI実現の陰には、ACMS E2X、AnyTranの貢献があった。

構成図
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