Case Study導入事例

TDK株式会社TDK株式会社

電気機器・電子ACMS B2BPDF

最も投資対効果の見合うRosettaNet標準対応の仕組みとは?
EDI先進企業TDKが選択したのはACMS B2B

  • 課題
    黎明期に構築したRosettaNet対応システムでは高い技術が必要
    保守期限切れに伴うバージョンアップでは投資対効果が低い
  • 評価
    基幹システム連携も含め安定したEDIシステムを再構築できた
    運用管理負荷、コストおよび時間が、従来の1⁄2に削減できた

グローバル市場を見据えた独自のモノづくり力

1935年、磁性材料フェライトの工業化を目的として創業、以来70年以上にわたってフェライトを源流とする素材技術、その素材の特性を引き出すプロセス技術、評価・シミュレーション技術を展開し続けているのがTDK株式会社(以下、TDK)だ。デジタル化、高度情報化が進む現代、TDKのコア技術を駆使した製品は、ハードディスクドライブ用ヘッド、積層セラミックチップコンデンサ、インダクタを始め、センサ、ノイズ対策部品など多岐にわたる。特にハードディスクドライブ用のヘッド部品の製造において強みを誇り、業界最大手としてそのシェアは30%を超えている。「情報家電」「高速・大容量ネットワーク」「カーエレクトロニクス」の3分野を主軸に、蓄積してきたコア技術をナノテクノロジーで進化させながら、同社は市場の激しい変化に即応する独自のモノづくりを推進している。

TDKは、早い段階からEDIの推進に積極的に関わってきた企業である。電子機器や半導体・電子部品などの商取引情報、技術情報を企業間で電子交換・再活用することを推進する社団法人日本電子機械工業会EDI推進センター (EIAJ)が20年前に発足すると同時に、同協会の定めたEIAJ-EDI標準にのっとり、同社の取引先と主にVANをベースとしたEDIを展開してきた。

1998年、パソコン業界や電子部品業界が中心となって米国で発足したRosettaNetがインターネットをベースとしたRosettaNet標準を提唱、TDKは取引先からの要望もあってこれに対応することになる。2002年のことだった。

この時、同社にはRosettaNet標準に対応するEDIシステム構築に3つの選択肢があった。その中から、ベンダーから技術協力が受けられ、維持管理まで含めたトータルコストが安価に収まるソリューションを採用。TDKはここでも日本において早期にRosettaNet標準対応を実現した企業となった。

ただこのシステムは、まだ登場してまもない黎明期のテクノロジーをもとに、EDIのみならず広範なEAIをめざした高い機能を備えたものであったため、使いこなすには高い技術知識を必要とした。例えば、データ種の追加に専用の統合開発環境を利用するのだが、その操作方法をマスターするにはそれなりの時間を要した。また、管理データを一元的に見るのが難しく、知りたい情報をすべて見るためにはいくつものツールを起動しなければならなかった。

やがてその製品の保守期限切れ時期となり、この時ベンダーからは多大なライセンス費用、保守契約費用が提示された。TDKにとって、RosettaNet標準対応のEDIシステムは、すでに構築した同社のEDIインフラの1つだ。その金額では見合う投資対効果が得られないと判断、新たなソリューションを模索することになった。

RosettaNet標準対応というピンポイントニーズを実現したACMS

TDKは、システム選定にあたって3つのソリューションを比較検討、そこで最終的に選ばれたのがRosettaNet手順を搭載するACMS B2B(以下、ACMS)だった。TDK情報システム部 基幹システム開発部 情報連携推進課 課長 磯部清人氏は、選定理由を次のように語る。「従来のソリューションもテクノロジーの黎明期に開発されたものとしては高い完成度を誇っていましたが、我々が要望するものより少しばかり高機能だったかもしれません。その点、ACMSは、RosettaNet標準対応というピンポイントの目的に合致したシステムを組める製品でした。また、ACMSには既に日本でRosettaNet標準に対応し稼働している事例がありました。これは売買契約データをやりとりする非常に重要なシステムですから、信頼性は不可欠の要件としていたので、実績があることはその点で安心感がありました」TDK 情報システム部 基幹システム開発部 情報連携推進課 担当係長 丸山 徹氏は、磯部氏の言葉を補足してこう語る。「今回のシステム選定では、基幹システム連携機能の優劣も大きな検討項目でした。従来のソリューションはFTPベースでしたが、ACMSには安定性の高いMQでのデータ転送を可能にするMQアダプタがありました。社内の基幹システム間連携は既にMQベースで構築されており、このMQアダプタを採用することで基幹システムとも緊密に連携できる利点がありました」

このプロジェクトは、同社と取引関係の深い株式会社情報創研(以下、情報創研)がSIを務めた。情報創研 第一開発部開発三課 副課長大熊 孝男氏はACMSをこう語る。「この製品は、お客さまの要望に応じて機能の取捨選択ができ、小さく生んで大きく育てることもできれば、最初からすべてを包含したハイスペックなEDIインフラとすることも可能です。それこそがまさに今回採用された理由だと思います。DALのサポートも手厚く、2007年後半からスタートしたシステム構築フェーズは終始順調に進みました」

安定した稼働と使いやすさで運用負荷、コストが大きく削減

取引先とのデータ送受信テスト期間を十分に取った後、新システムは2008年4月に本稼働を開始した。5ヶ月が経過した現在、5社50ヶ所以上の接続ポイントの間でデータ交換が行われている。新システムの運用管理にあたる丸山氏は、ACMSの使用実感を次のように説明する。「これまでは稼働状況をときどき確認に行かなければ心配でしたが、今は何かあると電子メールで知らせてくれる上に、その電子メールもほとんど飛んでこないほど稼働が安定しているので、運用負荷が大きく軽減しました。また、管理ツールが直感的でわかりやすく、データも一つの画面で完結して見られるため、迅速にアクションを起こせます。今まで協力会社に依頼することが多かったデータ種の追加のような作業も、ACMSでは簡単にできるので、ほとんど自社内で対応できるようになりました。全体として運用管理のコストや時間は1/2程度になっています」TDKでは今後、徐々にボリュームが増えつつあるWeb-EDIへの自動化対応を検討していきたいと考えている。市場動向を見ながらの模索となるためまだ定かではないが、この場面においても、多彩な機能を備え、業界での実績も豊富なACMSであればスムーズなシステム構築が可能なのではないかと同社は期待を寄せている。

構成図
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