Case Study導入事例

伊藤忠エネクス株式会社伊藤忠エネクス株式会社

商社・卸ACMS B2BPDF

新POSシステム「E3」にLinux+ACMSを採用
多彩な情報サービスをローコストで提供

  • 石油卸大手の伊藤忠エネクス株式会社(以下伊藤忠エネクス)では、全国の系列サービスステーションに導入されているPOSシステムの再構築を実施した。「Enex Exciting Engine(以下E3)」と名付けられた新システムは、オペレーションのローコスト化と情報活用の高度化を目的としている。低コストでのサービス提供を実現するためには、システム構築・運用に掛かる費用をできるだけ抑えることが必要だ。しかし同時に、基幹業務に耐えうる高度な信頼性・可用性も不可欠である。そこで同社ではLinuxと「ACMS B2B」を採用。TCOの大幅削減と情報サービスの高度化に成功している。

多彩なサービスを展開する石油卸のリーディングカンパニー

伊藤忠グループのエネルギー商社として、石油・ガス関連製品の販売を手がける伊藤忠エネクス。現在は工場などの大手需要家向け事業を担当する「産業マテリアル事業本部」、全国120万世帯にLPガスを供給する「ホームライフ事業本部」、そしてサービスステーション向け事業を担当する「カーライフ事業本部」の三本部でビジネスを展開している。伊藤忠エネクス 取締役 兼 常務執行役員 カーライフ事業本部長山西 正氣 氏は「当社の石油取扱量は年間約800万KLにのぼりますが、これは国内石油卸商社としてはトップ。またこの5年間で500件の新規顧客を獲得するなど、当事業本部も順調に成長を続けています」と胸を張る。

個人経営のガソリンスタンドの廃業が相次ぐなど、サービスステーション全体を取り巻く環境は決して明るい材料ばかりではない。それにも関わらず同事業部がこれほどの成長を遂げているのは、ユニークな事業戦略があるからだ。「サービスステーションからカーライフステーションへ」をスローガンに、多種多様なサービスを次々と展開。中古車・新車の販売や車検、自動車保険など、クルマに関わるサービスをワンストップで提供している。「またもう一つ力を入れているのがカード事業です。当社の『itsumoカード』には様々な特典があるだけでなく、手数料も低く抑えています。現在は10万会員を目標に、積極的な拡販活動を展開しています」と山西氏は力強く語る。

POSオンラインシステムの再構築プロジェクトに着手

同社のこうしたアクティブな姿勢は、IT面でも存分に発揮されている。2002年から、系列のサービスステーションに導入されていたPOSオンラインシステム「CIPSON(シプソン)」の再構築に着手した。

山西氏はその背景を「20数年間にわたり使い続けてきた旧システムは、度重なる改修によって著しく複雑化。また運用に掛かるコストの問題も無視できなくなってきました。この状態のままでは、とても今後のビジネスを支えていくことはできない。そう考えて再構築を決断したのです」と振り返る。業務システムの再構築を行う場合、一般的には情報システムを担当する部門がまとめ役となるケースが多い。しかし今回のシステム構築では、営業部門がシステム企画のリーダーシップを取る方法を採用した。これは「現場のニーズに応えられるシステムでなければ実務に役立たない」(山西氏)との考えからである。

伊藤忠エネクス カーライフ事業本部 カーライフ統括部 営業 兼保安チーム チーム長 川村 友彦 氏は「新システム構築にあたって最も重用視したのは、コストダウンと情報活用の高度化です。単に請求業務をオンラインで行うだけでなく、システムに蓄積された情報を次のビジネスに活かせるようなシステムであること。しかもこうしたサービスを、低コストで提供することを目標としました」と説明する。

構成図

「 Linux」+「ACMS B2B」で大幅なコストダウンに成功

旧システム以上の機能を持ったシステムをより安価に実現する。この困難な課題の実現に取り組んだのが、サービスステーション関連の勘定系システムで豊富な構築実績を誇る株式会社アイネット(以下アイネット)である。

アイネットでは新システムのプラットフォームにLinuxを全面的に採用。これによりシステムコストを大幅に抑えることに成功した。アイネット データセンター本部 SS事業部 システム設計開発課 鈴木 久美子氏は「UNIXではコスト的な問題も大きい上、特定のOSベンダの技術に依存することになってしまいます。その点Linuxであれば、開発/テスト環境も安価に構築できますし、オープンな技術が活用できます。低価格なサービスを実現する上で、Linux採用は必須条件でした」と語る。また各 サービスステーションの販売実績データ収集などを行うデータ集配信サーバには、DALの「ACMS B2B」を採用。鈴木氏はその理由を「当社では以前にもACMSを利用した経験があり、その性能や安定性を高く評価しています。今回のシステムも高度な信頼性が要求されるだけに、ACMSを採用するのがベストであると判断しました」と説明する。サービスステーションの中には旧式のPOSを利用しているところもあるため、複数のプロトコルへの対応も課題であった。しかし多様なプロトコルをサポートできるACMSなら、こうした問題も容易に解消できる。「旧システムでは『CIPSON手順』という独自手順を利用していましたが、これもDALの協力により実装することができました」とにこやかに語る鈴木氏。また他のスケジューラなどを組み合わせることなく、ACMS B2Bだけでジョブ管理が行える点も気に入っているとのことだ。

多彩なオプションサービスも提供IT活用でさらなる飛躍を目指す

LinuxとACMS B2Bを採用した新システム「E3」は、2004年4月に本稼働を開始。山西氏はその導入効果について、「以前は従量制だったシステム利用料を定額制にし、平均20%のコストダウンに成功しました。サービスステーション様の収益向上に、多く貢献できたと自負しています」と力強く語る。

現在はまだ移行期間のため、旧システムとE3とが並行稼働している。しかし今後完全にE3への移行が進めば、最大40%程度のコスト削減が期待できるとのことだ。厳しい経営環境が続く中、このようなメリットを見逃す手はない。各地のサービスステーションからも、問い合わせが相次いでいるとのことだ。「またE3では、各種帳票の発行サービスやデータのダウンロードサービスなど、様々なオプションサービスもご提供しています。これも以前のシステムでは考えられなかったことですね」と川村氏は語る。実際のシステム運用はアイネットのデータセンターで行われているが、効率的な運用を行う上でもACMS B2Bが役立っている。「ACMSはWebブラウザで簡単に管理が行える上、ユーザー権限に応じて利用できる機能も変えられます。使い勝手とセキュリティを両立できるので助かっていますね」(鈴木氏)。伊藤忠エネクスでは今後も全国の系列サービスステーションに対して、E3の展開作業を推進していく予定だ。「今後はITを積極的に活用し、2,200ヶ所の系列店を独自のIT光ネット網(エネクスCSネットワーク)で結ぶことで、販売店様に喜ばれるようなサービスを次々と打ち出していきたい」と抱負を語る山西氏。その取り組みをACMS B2Bがしっかりと支えていく。

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